作業中<定義> 不育症は以前は習慣流産と呼ばれ、 学問的には「三回以上連続した初期流産」と定義されています。 このため、二回の流産で病院を受診すると、 「二回では習慣流産とはいえないので、 もう一回流産してから検査しましょう」ということになりがちです。 しかし、流産を重ねることで、子宮や卵管のみならず、 心にも後遺症を残し、それが新たな不妊症や 不育症の原因になるため、習慣流産の診断基準として 既往流産回数を重視することは母性保護上問題があります。 したがって最近では不育症と呼称することが一般的になっています。 流産は偶発流産と必然流産に大別されます。 <偶発流産> 卵巣機能のように毎月変動する因子の不調が原因の流産です。 ”通信簿”に▲×がついた妊娠で、 不完全な妊娠の結果といえるでしょう。 胎児染色体異常流産のなかで、夫婦の染色体が 正常な場合は本症に含まれます。 <必然流産> 流産すべくして流産した流産です。 ”通 信簿”は全部○です。適切な検査、 治療が行われないと、永久に流産を繰り返す可能性があります。 広義の不育症である子宮不育症と狭義の不育症である 染色体異常不育症と免疫不育症に分類されます。 |