テーマ:本と出版について(527)
カテゴリ:出版界こぼれ話
書店さんの話を聞いたり、書店員さんのブログ等を見たりしていると、どうも多作な著者は嫌われる傾向が強いような気がします。 (そして、営業部員からも嫌われる。書店さんの反応を投影しているのでしょうが) 「出しすぎ」「たくさん送られてくるけど、うんざり」といった声をよく聞くのですが、どうして出しすぎるといけないのか? とふと疑問に思ったり。 単純に「売れない本をたくさん出しやがって、置くスペースにも限りがあるっつーの」というなら、まだ分かるのですが、たとえそこそこ平均的に売れてる人でも、ちょっと嫌われる傾向があるように思うのですが。 それも、小説家以外の著者ですね。 わかりやすい例でいうと、中○彰○氏や、和田○樹氏といった方々。 最近だと、佐藤○雄氏とかもそうでしょうか。 他にもそれぞれの分野で、そう思われている人は結構いるように思います。 特に、中○彰○氏は嫌われる傾向が強いですよね。 まあ最近はどんどん売れなくなっている、という話ですけど、昔から嫌われ者だったようなイメージがあります。 多作な著者が嫌われる理由としては、「適当にスカスカなこと書きやがって、ボロい商売してんじゃねーよ」という感じなのでしょうか。 やっぱり書店員さんというのは、文化的に価値のあるものを愛する傾向が強いと思うんですね。 だから「本が好き」といっても、三分の二くらいの方は「小説」を指しているのだと思うし、どうもビジネス書とか自己啓発書や実用書はランクが下のように思われている感じもしなくもない。 たとえば、初版5000部くらしか刷れない、寡作の純文学作家の方で、もちろん増刷はかからないし、結構返品にもなっちゃったりするけど、通好みのいいものを書いている人と、自己啓発書系作家で、初版8000部は最低でも刷れて、少なくとも初刷り分を売り切る、月刊、週間ペースの多作の人がいるとします。 もちろんそれぞれの作家の個性にもよるところは大きいでしょうが、やはり前者の純文学系作家の方が、どちらかというと嫌われないと思うのは私だけでしょうか。 単に日本人は『判官びいき』と言ってしまえばそれまでですけど… なんで、こんなことを書いているかというと、多作であっても、一冊一冊、一生懸命書いているのにもかかわらず、仕事が速いだけで悪印象を持たれる著者に同情してしまうことがあるからなのです。 確かに、ライターを使って、一日で語り下ろしてしまう方もいるとは思いますが、ボリュームのある内容を、全部自分で書いて、なおかつ月1~2点ペースで発刊できちゃう著者もいるんですよね。 最終的な評価は、読者の手に委ねられると思うのですが、やっぱり現場の書店員さんに好かれるに越したことはないからなぁ。 (相変わらずうだうだした文章ですいません…) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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