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月浮かぶそら、輝くひかり。 -静かな夜空の小さなトモシビ。

灯火-第二章:悪魔が巣食った村

テレビの中(ゲームの中)に入った少年と主人公の男。
「ここは・・・?」
少年は辺りを見回しながら言った。
「・・・少年、名前は?」
「え・・・?」
「名前は?」
一度目より少しきつめに、よく通る声で聞く。
「えと・・・、志雄。綾瀬志雄です」
「・・・志雄」
「は、はい」
志雄は少し脅えながら返事をする。
「ここ、どこだか分かるな?」
「えと・・・どこですか?」
「ふぅ・・・。どうやら状況を説明する必要があるようだな・・・」
男は頭をかきながら、困った表情をしながら言う。
「俺の名前、分かるな?」
「はい。あのゲームの主人公なら、確か・・・燕劉さん・・・で、あってますか?」
「ああ。俺は燕劉だ。じゃあ次。この場所を言ってみろ」
「はい。ここは・・・魔物の巣食う村・・・でしたよね?」
「・・・・・・。」
「あれ・・・違いましたか・・・」
少々焦り気味に志雄は言いました。
「えっと・・・魔物の・・・巣食ってる村・・・ですか?」
「・・・・・・。」
「あれ・・・、あ!魔物の巣食った村ですよね!?」
「おい・・・。」
「は、はい?」
志雄は肩をすくめる。
「・・・本気で言ってるのか?」
怒っているのか怒っていないのかわからないような口調で燕劉は言いました。
「はい・・・」
弱弱しくその質問に答える。
「"魔物が巣食った村"だ。」
「あ・・・思い出しました」
「遅い!!」
燕劉は本気で切れてしまったのか、今度ははっきりと誰にでもわかるような強い口調でいう。
「ご、ごめんなさい!」
必死で頭を下げて志雄は燕劉に謝りました。
「・・・もういい。行くぞ」
燕劉は志雄に背を向けて村の方向へ歩いていく。
「は、はい!」
志雄は頭を上げ、小走りで燕劉の横まで行きました。
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二章も終わりですね。
三章完成しました。
灯火-第三章:大聖堂


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