第五章─僕と春香の正直な気持ち「私、綾羽君のこと・・・好きだよ」「え・・・?」 いきなり言われて、僕は驚いた。一瞬言葉が理解できなかった。 「初めて話し掛けた時、本当は避けられるかと思ったんだよね。でも、綾羽君は普通に接してくれて、凄く嬉しかった。だから、綾羽君が本を読んでいたから、それを理由に、仲良くなろうとしたの」 「そうなんだ・・・」 「綾羽君は何で私と普通に接してくれたの?」 「・・・あの時は僕、あまり女子に話しかけたこと無くて、話し掛けられた事もあまり無かったから、本当はどうすれば言いか全然わからなかったんだよね。だから、とりあえず皆と話してる時と同じように、普通に接したんだ。そしたら春香が頻繁に話し掛けるようになって、それで、いつの間にか仲良くなってたって言うか。で・・・。いつの間にか、僕も・・・春香の事好きになってた」 僕が言い終わった頃には、二人とも顔が少し赤かった。僕はごまかすために笑った。彼女も一緒に笑った。 「・・・付き合おうか、僕達」 「・・・え?」 僕は彼女の気持ちがよくわからなくて、今まで黙っていた。でも今彼女の気持ちもわかった。だから黙ってる必要も無かった。 「付き合う・・・?」 「うん。春香が良いなら。今まで春香の気持ちがわからなくて、ずっと迷ってたんだ。でも、今春香の気持ちが聞けた。だから、付き合ってくれる?」 「え・・・う、うん」 「やった!」 僕は嬉しくて、思わず立ち上がった。本当に嬉しかった。 「じゃあ、これからよろしく。春香」 「うん。こちらこそ。あ、そうだ。これから綾羽君じゃなくて、司君って呼んでも良いかな?」 「うん。勿論だよ」 「あはは、これからが楽しみだなぁ」 「ははっそうだな」 僕達は笑った。嬉しくて、楽しくて、最高の気分だった。 キーンコーン─ 学校中に、予鈴が鳴り響いた。 「む。そういえば此処は学校だったか」 「あはは、そうだね。すっかり忘れてた」 「じゃ、行こうか」 「うん。行こう行こう♪」 ジャンル別一覧
人気のクチコミテーマ
|