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月浮かぶそら、輝くひかり。 -静かな夜空の小さなトモシビ。

第五章─僕と春香の正直な気持ち

「私、綾羽君のこと・・・好きだよ」
「え・・・?」
いきなり言われて、僕は驚いた。一瞬言葉が理解できなかった。
「初めて話し掛けた時、本当は避けられるかと思ったんだよね。でも、綾羽君は普通に接してくれて、凄く嬉しかった。だから、綾羽君が本を読んでいたから、それを理由に、仲良くなろうとしたの」
「そうなんだ・・・」
「綾羽君は何で私と普通に接してくれたの?」
「・・・あの時は僕、あまり女子に話しかけたこと無くて、話し掛けられた事もあまり無かったから、本当はどうすれば言いか全然わからなかったんだよね。だから、とりあえず皆と話してる時と同じように、普通に接したんだ。そしたら春香が頻繁に話し掛けるようになって、それで、いつの間にか仲良くなってたって言うか。で・・・。いつの間にか、僕も・・・春香の事好きになってた」
僕が言い終わった頃には、二人とも顔が少し赤かった。僕はごまかすために笑った。彼女も一緒に笑った。
「・・・付き合おうか、僕達」
「・・・え?」
僕は彼女の気持ちがよくわからなくて、今まで黙っていた。でも今彼女の気持ちもわかった。だから黙ってる必要も無かった。
「付き合う・・・?」
「うん。春香が良いなら。今まで春香の気持ちがわからなくて、ずっと迷ってたんだ。でも、今春香の気持ちが聞けた。だから、付き合ってくれる?」
「え・・・う、うん」
「やった!」
僕は嬉しくて、思わず立ち上がった。本当に嬉しかった。
「じゃあ、これからよろしく。春香」
「うん。こちらこそ。あ、そうだ。これから綾羽君じゃなくて、司君って呼んでも良いかな?」
「うん。勿論だよ」
「あはは、これからが楽しみだなぁ」
「ははっそうだな」
僕達は笑った。嬉しくて、楽しくて、最高の気分だった。
キーンコーン─
学校中に、予鈴が鳴り響いた。
「む。そういえば此処は学校だったか」
「あはは、そうだね。すっかり忘れてた」
「じゃ、行こうか」
「うん。行こう行こう♪」


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