〔第十六話〕元の世界への扉朝になり、隼人達は目を覚ました。隼人は眠そうな顔をして呟いた。「もう朝か・・・夜は短いな・・・」 零は隼人を見てこう言った。 「短く感じるだけよ。眠っていたら時間なんてわからないから」 隼人はそう言われて納得した。 「とにかく、元の世界に帰れるところを探そう」 隼人達は立ち上がり歩き始めた。 「ここに本当に帰る場所があるのか?」 蓮火は不安そうに言った。 「わからない。でも、もしかしたらあるのかもしれない」 本当にここに元の世界に帰るための場所があるのかわからないが、とにかくここにあることを信じて奥へと進んだ。 少し時間がたち、だいぶ奥まで来た。隼人達は突然足を止めた。隼人たちの目の前には大きな扉と扉の横に二体の石像があった。 隼人は言った 「ここの中に元の世界に帰る場所があるかもしれない。とにかく入ってみよう」 隼人は扉を開けようとした。隼人が力いっぱいその扉を開けようとしたが、門はビクともしなかった。 「ダメだ・・・開かない」 隼人はつかれきった様子で言った。 「皆でやってみれば開くかもしれないわ」 零はそう言って、扉を押し始めた。それにつられて蓮火も扉を押し始めた。 だがビクともしない。すると、横から大きな声が聞こえてきた。あの石像 だ。 「おぬしら・・・この扉の向こうになんの用があるんだ」 大きな声に隼人達は耳を押さえた。 「この扉の向こうに、元の世界に戻るための道はあるのか?」 隼人はその石像に聞いた。 「ある。だが、この扉はおぬしたちひ弱な人間ごときに開けられる扉ではないぞ」 石像は隼人たちに向かって言った。 「石像よ、この扉を開けてもらえないか?俺たちは元の世界へ帰りたいんだ」 隼人は石像に言ったが、石像はこう答えた。 「断る!!おぬしたちがなぜ帰りたいか知らんが、わしはこの扉の門番だ!!だが、おぬしたちがこのわしに勝てるのなら話は別だがな」 隼人は言った。 「お前に勝てたらこの扉を開けてくれるのか?」 「ああ・・・開けてやる。だがおぬしらにわしを倒す力はあるのか?」 零は隼人に向かって言った。 「あの石像に勝てると思ってるの?あの石像の防御力は半端じゃないわよ」 隼人はその言葉を聞いてこういった。 「勝てるか勝てないかはやってみないとわからない。でも、戦わなければこの扉を開けてもらえない。だからやるしかないんだ」 そう言って今度は石像に向かって隼人は言った。 「俺はお前を倒す!!勝ったらこの扉を開けろ!!」 石像は少し笑みを浮かべた。 「おぬしがどれだけの力があるのかわからんが、戦ってやろう。そこにある剣を抜け!!」 隼人は言われたとおり剣を抜いた。 「いくぞ!!」 そして隼人は石像に向かって剣を振り下ろした。石像は隼人の剣より一回り大きい剣で隼人の剣を止めた。 ================================== 長いな~もう一話更新します。 第最終章へ ジャンル別一覧
人気のクチコミテーマ
|