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カテゴリ:das Thema
昨日は午後からKingston(Thames川沿いの街、London南西部住民は買い物といえばまずここに来ることが多い)にぶらりと出掛けた。
特に急ぎではないのだが幾つか欲しかったものがある。休暇前に買い損ねたAdidasの手ごろサイズ鞄。縫製はそこそこだが人工皮革(多分)の材質がペナペナなベトナム製。Benthallという名のデパート(日本の高島屋のような感じ)をメインとする地下一階地上3階建てモール内のSportsShopにて15ポンドで入手後、巨大なバックルの茶系皮ベルトを探しにモール隣のGAPをさまよう。 BenthallのあるこのモールはUK標準からいくと容積が大きく、USの小型モールに匹敵する。しかし品揃えは(言うまでもなく?)USに及ばない。Benthallの店内を除けば(高級)服飾ブティック系テナントはAustinReedやEspritなど僅かしかない。 日本の大都市だと、駅前のちょっとしたスーパー/デパートでもWorldWideに名の通るブランド品が百花繚乱の賑わいを見せるのに比べこの格差は著しい。 日本ではブランドもの信仰が極端なため、ハコにそれらがあることが前提条件になっているのかもしれないが。 ファッションにこだわる人ならこんな地方都市なんか眼中になく、London市中でPiccadilly/OxfordCircusやKnightsbridge、SOHO辺り(多分)のブティック群に繰り出すところだろう。 ただ、日本のファッション誌が相も変わらず定期的に取り上げる ”ファッショナブルな街London”-- こういう特集は日本を中心にLondon、NY、ミラノ、Parisの4極で定期的に公転しているようだが -- という謳い文句には違和感がある。 ファッショナブルというのは 例えば金曜夜にClubに向かうおにいさんおねえさん達やセレブなどとんがった一部の層に該当する。 また、時々通りで鳥人間コンテスト出場者のような人を見かけることもある(参加者は多くない。) しかし一般人の日常は極めて地に足のついたいでたちにより営まれている。 多くの市民は先立つものに賢明に妥協する術を身に付けているためか、チープシックな方向を指向するように感じる。その傾向は、可処分所得差を反映してか日本以上に強い(日本では本当に多くの人が身奇麗にしているなぁ。。。) そんなUK一般人を対象の普段着系服飾店の代表として、London(少なくとも南西部)ではGAPがのしている。 GAPはどこの中小買物街に行ってもまずお目にかかる。BabyGAP、GAPKidsと共に幅広い顧客の取り込みを目指しているようだ。 次にNEXTというショップが続く。出店数では話にならないが近年縮小傾向にあるユニクロもちらほら見かける。 服飾系ではないがMUJI(無印良品)も隠れファンがいるようだ。 日本メディアが地に足の付いた一般人の(チープ)シックな装いにfocusしているのであれば話は判るが、”今、Londonが熱い”とかなんとかの陳腐なコピーで若者に妙な期待感を与えるのは 雑誌の売れ行きには貢献しても事実からは遠いと思える。 先日の日本休暇で再認識したが、例えばTシャツ一つ取っても圧倒的なデザインのバリエーションがあり、そこそこの品質+低価格で並べられている。ちっぽけな地方都市のスーパーですらそれを謳歌できる日本の実力に感服させられた。UK人を連れてくると泣きまくるかも? 所謂デザイナーズブランドで日本ファッションは世界的に認知されているがこういう草の根レベルの実力の高さが世界にどの程度正当に伝わっているか興味深い。 ドイツはどうだろう。一般傾向としてUKと同じであるが、ドイツ人の年収はEuropeでは最も高いクラスで物価もそこそこなためUK人よりも服装に余裕がある印象を受ける。 男女ともパリッとしたいでたちの人々が多い(特にお金がないと始まらないMuenchenで比較するとこの大差は無理もないかも。) 一般人向け服飾店としてはドイツの商習慣を反映してかGAPのようなフランチャイズの巨人はそう幅を利かせていない。UKと同様、LauraAshreyやBOSSなど様々なブティックが適度な露出で街のあちこちに店を構えている。GAPやEddieBauerはあるがMuenchen市内にせいぜい数箇所しか出店しておらず、石を投げれば当たるUKレベルほどには繁殖していない。 UKでは服飾店に限らずあらゆる店舗のフランチャイズ化により商店街が金太郎飴化して久しいようである。 どのUKの街に行っても食品はA,スポーツ用品はB,文房具はC,本屋はD,カフェはE のように本来土着且つユニークであってほしい商店群が概ね何がしかのチェーンに組み込まれており気分転換を求め遠出しても新鮮味がない と同僚Fが日々こぼしている。 ところで 一時の猫も杓子もユニクロブームはあったが、日本人が>今のUKレベルの<フランチャイズ化に馴染むことはないだろう。 UK人よりも日々貪欲に新奇性による快楽を追及する性分を持つ国民が、そんな選択肢に乏しいつまらない世界を許容できるとは思えない。 しかし、例えば夥しい数の日本の外食産業フランチャイズ店(RoyalHost、ジョナサン、吉野家、和民、等々)が示すように競合の数が余りに多くなるともはや誰もそれらをフランチャイズと捉えなくなるかもしれない。。。 しかしあれだけ外食産業が競合しても淘汰が進まないのは、中小の飲食店が打撃を受けているのか、主婦が料理をしないのか、独身層が増えているのか、自炊より安上がりなのか、、、。謎だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004.08.30 21:46:04
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