ぐま日記@DC浦島生活。

2006/03/09(木)05:41

「うな重」談義。

徒然(124)

 早朝恒例の「一人のんびり贅沢タイム」にインターネットをつらつらと見ていたら、ある記事に目を引かれた。与謝野馨経財相が「地方は仕送りでうな重(を食べてる)と言う人もいる」と発言したところ、地方の知事や市町村長が「とんでもない。国の方が分厚いビフテキを毎日食っている」といった反発をしているそうな。  ちなみに「仕送り」ってのは地方交付税のこと。国の予算から地方公共団体に交付されるもので、地方の歳入不足補填とか地方間格差是正といった意味合いを持つ。受け取ってないのは東京都のみ。  この「仕送り」を受けてる身で地方は贅沢している、スリム化がまだ足りんのではないか、という国からの発言に対し、いや地方は国よりずっと厳しいリストラやってるんですけど、っつう地方からの反論という構図ですな。  発言の是非について述べる気はない。地方は贅沢なのか、国家予算約80兆円のうち約14兆円の地方交付税がでかいのか小さいのか、これは立場違えば物事の見え方も違ってくるイシューですから。  そもそも国と地方で「お前の方が贅沢だ」と言い合ってても、どっちでもない第三者(民間とか外国)から見れば、「あんたらどっちも贅沢ですよ」と突っ込まれて終わり、というオチにもなりかねませんし。  。。。という真面目な議論をしたいのではなく。  私が興味をひかれたのは、皆さんが使っている「ぜいたく」の比喩であります。片や「うな重」、かたや「ビフテキ」。  以前にもこうした表現はあった。某大臣発言。「母屋ではおかゆをすすっているのに離れではすき焼きを食っている」。この場合の母屋ってのは国の一般会計、離れは特別会計のこと。贅沢の象徴は「すき焼き」。  いや、良し悪しではなく、昭和を感じますなあ。  私は「うな重」も「すき焼き」も大好きでシンパシーを感じてしまう世代だ。他方で今の学生さんとかに「贅沢な食べ物とは?」とアンケートとったら、どんな品目が並ぶのだろう、と興味津々。  例1。「毎日キャビア食ってる」。。。う~む、贅沢かもしらんけど、日本人の食習慣からかなりかけ離れてるしなあ。  例2。「トゥール・○ルジャンで鴨食べまくってる」。。。具体的な店名を出すのもちょっとねえ。。  例3。「ロマネ・コンティを飲みまくってる」。。。私にとっては贅沢で羨ましい限りだが、ちとマニアックでピンとこない人多いかも。  そう考えると、「うな重」「ビフテキ」「すき焼き」っていうのは、多くの日本人がニュアンスを違和感なく共有して「贅沢感」を感じ取れる、案外優れモノの比喩なのかもしれない。  ちなみにこちらでは、地元利益誘導型予算のことを"pork barrel"といいます。豚の樽、ないし豚の一番肉厚なとこ。いかにもアメリカ人に共有されやすそうなニュアンスですな~。

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