2006/09/06(水)22:06
劇団四季「鹿鳴館」観劇レポ
劇団四季のストレートプレイ、三島由紀夫作「鹿鳴館」
先日の日曜日に千秋楽公演を観にいった。
正直、私は三島作品が嫌い苦手で、
小説にチャレンジしたこともあるが数ページで挫折。
文体が私には合わないのだ…。
漱石とか鴎外とか実篤とかはそれなりに読めてそれなりに楽しめるんだけど
三島作品だけは楽しむ前に拒否反応が出てしまって(苦笑)
それだけに、今回の観劇には、
私としては珍しく不安感を覚えていた。
睡魔が襲撃してくるのではないかと
でも、25分の休憩を挟んで開演から約3時間の2幕。
意外に(?)寝ることもなくしっかり観ることができた。
何せ耳も目もかなり集中していないと、
セリフを聞き逃したり動きを見逃したりしてしまう。
ちょっとでも話の筋をつかめなくなるのは絶対にイヤなので、
集中度もムリヤリ高くしておいたので疲れた。
一言で感想を言うとすれば、「おぉ~。なるほどねぇ~。」かな。
明治の時代背景も絡んで、いわゆる特権階級の人々の思想とか、
知的で文化的で優雅で贅沢な建前の後ろにある、
ドロドロとして冷たく荒れた、ある意味人間的な本音。
そういうものを第三者の立場で俯瞰できるのは興味深かった。
私にとってはもちろんエンターテイメントではあるけれど
エンターテイメント性はある意味高くないとも言えるジャンルの作品。
ベテラン俳優さんが多く配されていて、
その点での見ごたえは十分にあった。
比喩表現や、現代ではあまり使わない堅苦しい日本語表現が多く、
しかも流れるような長ゼリフ!
それを感情を込めて、自然な形で観客に訴えるのには
素人目から見てもかなりの技術力が必要だろう。
俳優さんたちの技術の高さを改めて感じた作品ではある。
おっ、なんだか珍しく批評的なカタイ文章(笑)
誰か最後まで読んでくれるのだろうかか?
平幹二朗・佐久間良子元夫婦が共演したという「鹿鳴館」も
観てみたかったなぁ。