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カテゴリ:🍀 小確幸のポケット
「小確幸(しょうかっこう)」という言葉をご存知だろうか?
これは、村上春樹が『ランゲルハンス島の午後』という作品の中で 使った言葉(造語)だそうだ。 私自身はこれまで村上春樹作品を全く読んでいないけれど、 この言葉だけは、なぜかすっと心に入り込んできた。 意味は―― “小さいけれど、確かな幸せ”。 …文字だけで見ると、それほど強いインパクトはないかもしれない。 けれど、たとえば。 娘と公園を歩いているときの、前を走る小さな後ろ姿。 初夏の空気が色濃くなる頃に眺めた、山々の深い碧さ。 いつもより少しだけ鮮やかに見えた、道端の草花。 そんな日常の一場面に、「これもまた『小確幸』」とカギ括弧で結ぶ。 すると、今までただ漠然と流れていた幸福感が、 急に確かな輪郭を持ち始める。 ひとつひとつの小さな幸せに、 鋲(びょう)を打って留めていくような感覚。 あるいは、風景にそっと額縁をつけて飾るような、 言葉というカメラで、静かにシャッターを切るような、 そんな不思議な感覚に包まれるのだ。 オジサンになってくると、こうした「小確幸」に目を向けることが 大切になってくる。 なんとなく過ぎていく日々の中に、 “確かにあったはずの幸せ”を、きちんと浮かび上がらせてやること。 きっとそれが、生きる意味になり、価値になっていく―― これがまさに『”小さくはない”「確かな幸せ」』に繋がっている と、私は思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.07.14 16:44:04
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