『ツレがうつになりまして。』という映画を久々に観た。
公開されたのはもう14年も前だそうだ。

以前見た時は「”うつ病”って大変なんだなぁ」と、
どこか他人ごとのように観ていた気がするが、
今の私は、同じくミッドライフ・クライシスという名の
”宇宙風邪”（映画内で”うつ病”の事をこう呼んでいた）
にかかっている真っ最中なので決して他人ごとでは無かった。
映画のあちこちに刺さる言葉や場面がたくさんある。

特に印象に残ったのが「割れないであることに価値がある」というセリフだ。
古いガラスの一輪挿しに興味を持ったはるさん（主人公の妻）に古物屋の店主が
「そのガラス瓶も割れなかったから今ここにある！」
と言った事で、夫が生きている事に意味や価値を発見した言葉。

これは今後の人生において何度も「心が折れそうになった時の添え木」
となってくれる。そんな言葉だと感じている。

他にも、「がんばらない！」と決めることや、
「何もできない」のではなく「何もしない」と考えること。
そんな風に自分を責めずに、ゆるめてあげる思考にとても共感できた。


たしかに私は、映画の中のツレ（うつ病の夫）と違い、
まだ仕事もできているし、社会生活も全然こなせている。
だから「うつとは違うだろ」と言われるかもしれないけれど、
それでもこの作品に描かれている“生きづらさ”の感覚には、共鳴するところがあった。

たぶん、私だけじゃなくて、まわりにも「がんばり過ぎて疲れている人」は
たくさんいるんだと思う。
だからこそ、通りすがりに「がんばれ」なんて、
何の責任も無しに簡単に言っちゃいけないよなぁ
と、強く思った。


ゆっくりでいい。
いや、本当は世界そのものはもっとゆっくりなのに、私たちが勝手にスピードを上げすぎて、
あちこちで心の事故を起こしてるのかもしれない。

たまには季節の変化を感じてみる。
朝の空気の冷たさや、道に咲く小さな花に心を向ける。
そしたら世界はもっとゆっくりだって事に気付けるのかもしれないな。
それに気付けたら、自分自身のスピードももっと緩める事ができるのかもな？

がんばらなくて良いんじゃないかな？
たまには息抜き、というか、もうずっとぬるっと生きる事にしてみても
きっと大丈夫だよ。



☕今日のアフタヌーンティーのおとも
- テーマ：生きてることが価値
- 気づき：世界のスピードは考えているよりずっとゆっくりなんじゃないか？

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