一日一回誰かを笑顔にする会

2007/03/19(月)18:20

シェーグレン症候群

神経内科のお話(2)

最近、診察した患者さんで、シェーグレン症候群疑いの患者さんがいらっしゃったので、シェーグレン症候群について、今日は少しお話します。 シェーグレン症候群というのは、膠原病の一種で、一番典型的な症状は口の渇きです。目の乾きも出やすいです。そして、血液検査をすると、抗SS-A抗体,抗SS-B抗体という抗体が出てくるのが特徴です。確定診断のためには、唾液腺の検査や涙の減少などを確認する必要がありますが、この抗体が認められれば、かなり可能性は高いと思われます。 今回の患者さんは、さまざまな不定愁訴があり、あっちこっちの病院を転々としていた方なのですが、診察室で「冷たい水に当たると、手が真っ白になった」とこの冬に言われました。これはレイノー現象という症状と考えられましたので、膠原病を疑い抗核抗体というのを調べたところ、陽性で高い数値が出ました。それで、口が乾いて、いつも水筒を持って歩いて、診察中にもお水を飲まないといけない状態なので、抗SS-A抗体,抗SS-B抗体を追加して調べたところ、高い数値が出たのです。 この疾患で大変なところは、神経痛がでたり、関節痛が出たり、しびれがでたり、何とも多彩な症状が出るということなのです。何だか原因のはっきりしないさまざまな症状が出て、患者さんは心身症とかと診断されて、精神科にずっと通っていたりします。この患者さんも、口は渇いているのですが、それを訴えて病院に来ているわけでなく、めまいとかしびれとか痛みとかをずっと訴えて病院に来られています。で、病院でも原因がはっきりしないので、身体表現性障害という診断で、つまりストレスなどが原因と考えられ、抗うつ薬や抗不安薬などが投与されていることも多いです。 口の渇きの目立たない隠れシェーグレン症候群もあり、不定愁訴には注意が必要です。

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