EYASUKOの草取り日記

2010/09/14(火)23:30

ポーランドの至宝

絵画.・アート(205)

今年はショパン生誕200周年に当たり、各地で様々な催しが開かれているがそのショパンがこよなく愛した祖国ポーランドの至宝というべき作品を現在八王子の東京富士美術館で見ることができる。「額縁の中の少女」と題されたこの絵画の作者はレンブラト・ファン・レイン北方ルネサンスの雄である この肖像画は、1777年よりポーランド最後の国王スタニスワフ・アウグスト・ポニャトフスキのコレクションに収められていたものこの啓蒙主義的君主は国威の向上、文化の振興に勤め騎士学校や国立教育委員会の設置、ワルシャワ国立劇場も彼により作られているまた、彼自身も文化・藝術に造詣が深く絵画や貨幣のコレクションや版画の印刷室を所有していたというしかし、ポーランドは強大化するロシアとプロシアにはさまれ国内の貴族たちの足並みの乱れから王権は弱体化しこの二大強国に蹂躙され、3次の分割を経て、1795年とうとう王国は消滅してしまう。この最中、スタニスワフ国王は、その絵画コレクションの多くをロンドンのダルウィッチ絵画館に避難させるがこのレンブラントはワルシャワ王宮に残されポーランド国民の手により大切に守り抜かれて現在に至っているという。「レンブラントのモナリザ」とも言われるこの作品は代表作「夜警」の完成前年に描かれたもので匂やかな少女の風情を余すところなく描写しまた、少女の手は、画面前面に描かれた額縁を乗り越えて置かれている、という当時流行した「トロンプ・ルイユ」(だまし絵)の技法を取り入れたりして油の乗り切った時代のレンブラントの傑作と言うべきものである。こ展覧会は9月26日までその後大阪のサントリーミュージアム天保山などを巡回するという。

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