南カリフォルニアの青い空

2015/07/06(月)23:31

私を守ってくれる男の誕生日

     早いもんだなあ、また一年たってしまった。  最初は、もうこんな男でてけ!と思うほど (いや実際に口に出したことも何度かある)  情緒不安定で言葉遣いも汚く、なんかいつも風向きが変わる  男だったが振り返ってみるとそれが理由でアル中、薬中に  なったのかもしれない。いや、もしかしたらそれがしらふに  なった後遺症なのかもしれないと思ったりした。  ニワトリが先か卵が先かの問題だろうが実に難しい男だった。  ストーン(石)という名前なので「ガリガリにけずれた、  触ると手が切れそうな、危険な石だ」と思っていた。  それでいて生まれながらの芸術家で英語で俳句など書いて  「返句をかけ」と手書きの手紙(携帯やパソコンのない頃)  を送って来たり、「自分が育てた花だ。良い香りだろ」と、  バラの花びらを送ってくるような男だった。  私と巡り合った時「今日は完全に素面になって8年たった  ’生まれ変わりの日’」だといった。  その日に巡り合った女を絶対に離さないと誓ったのかどうか  とにかく当時45歳前だった彼が、今日で63歳になった。  オロオロ、こそこそして、フイとどこかに消えてしまう  ような男だったが、今では歌いながら踊りながら草花に水を  やり、ラジオを聴きながらアトリエで平和に絵を描く男 自分の死をもって私を守ってくれるであろう男になった。  時という川の流れに角だらけの石は、丸くなったようである。 ハッピーバースデー ・グレッグ         

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