南カリフォルニアの青い空

2020/06/02(火)03:27

文章の力

 ブックカバーチャレンジなるものを引き受け、本来ならば後継ぐ人を探しバトンタッチをしなければならない。。。との事だったが、私は人に面倒な事を紹介することはあまり好きではないので、私の分はここで止まってしまう事になる。人のを見て「やってみたい」と思ったら、個々に自由にやればよい事だと思っている。  ただ、このチャレンジを引き受けた事によって、次々に懐かしい本を引っ張り出したことはコロナの自粛期間中には嬉しい新発見もあった。特に瀬戸内寂聴の『わたしの源氏物語』は読みだしたら止まらなくなって、この数日平安時代の世界に入り浸って、時間さえあれば千年前に戻っていた。  面白い事に、何十年か前に読んだ時は大学の日本文学クラスで義務付けられていた時だったので、和歌の本も、徒然草や万葉集等も目だけで読み左から右に消え去っていたのに、今回はその世界に溶け込んだように、まるで自分がその場にいるように夢中になって読んだ。彼女の文章は想像力を掻き立ててくれ、登場人物の心理などの解説も入っているし、「現代だったらこんな感じ」と、今の感覚で考える事もできるので分かりやすい。   私には、一度に何冊も読む悪い癖があり一つの章を読むと、次の本とか、テレビのチャンネルを替えるごとく頭を切り替えるのだが今回は違った。寂聴さんのは、瀬戸内晴美と言ってた時代から、読者をひきつける力に優れてる作品が沢山あったが、この本も昼食抜きで気が付いたら夕方になっていたくらいのパワーで、久々に脳に刺激を与えられた感じがする。  

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