南カリフォルニアの青い空

2021/03/25(木)02:02

昔の日記が出てきたのでシェアー

​​​​昨日、開かなくなったファイル・キャビネットを動かす爲に、その上に積んであった箱をグレッグにどけてもらったら、古い日記がでてきたので読んでみました。17歳の娘との会話の記録でした。その娘はもうじき、52歳になる事を頭にいれてお読みください。 ******************* 「マム、x(当時のボーイフレンド)の家、すっごくリッチだよ」 (日本で、リッチというと、金持ちという意味だと思いますが、英語では、豊とか、優れものであるという意味もあって、音や、食べもの、心などの形容にも使うので、金銭的でない事にも使われます) 「ふ~ん、それは、どういう事?」と娘にききました。 「ハウスキーパーがいつも家の中、きちーんとしてくれるし、コンピュータ―や、彼専用の電話番号もあるの、一本はパソコン専用。 (当時は電話線でチャットとか、メールをしていた時代です) グランドピアノには、レコーダーがついてて、ボタン一つで、今ひいてた曲り、ピアノが弾くの」 「あら、ジュンだって部屋の中キチーンと出来るのよ、時間充分あるもの。受話器だって各部屋にあるし、コンピュータ―だってあるじゃない。二人でとりっこして弾くグランドピアノだってあるじゃない。それで、彼の家ではどなたが、ピアノ弾くの?」 「誰も弾かないみたい」 「ふーん、それで、あなたは、ハウスキーパーがいて、一本以上の電話番号があるとリッチだと思うの?電話の基本料金イクラか知ってる?月10ドルよ」というと、 「え?じゃ、私のお小遣いで払うから、私専門の電話番号ほしい。そうすれば、好きなだけ長話できるのに」と無邪気に不思議がっている。 「あのね、マムがリッチと思うのはね、一本の電話を皆で譲り合う心、つまり思いやりのある事。ピアノがほしいなら、それを飾りの爲にかわないこと」 「わかった、わかった、これからは、リッチと言わないで金が沢山あると言えばいいんでしょ?」と、いささか、憤慨気味。 「いや、それも違うんだなあ」 「え?」 「あのね、うちみたいに、現金で材料かって、土台から全部自分達の手で家を建ててるとね、家は、全部自分達のものなの。立派な大きな家でもね、現金で払う人って殆どいないの。ローンと言って、皆30年、40年と毎月返すわけ。という事は、住んでいるけど本当は自分ちじゃないから、払えなくなると家から追い出されちゃうの。高級車も、ヨットも同じ。勿論、中にはキャッシュで買う人もいるわよ、でも不思議なんだなあ。そういう人達って、案外見栄はらないみたいよ」 「もう一つ聞いてほしい話があるの。友達のナンシーがね、スーパーで買い物した帰り道、大きな袋を抱えて、よぼよぼと歩いてるおじいさんがいたから、「大変ですね、どちらまで」ときいたら、同じ方角だったから、家まで送ってあげようと思ったんだって。すると、公園みたいなところの前で「ここで降ろしてください」と、いうので「家の前までおくります」といっても聞かないから、きっと、自分の家を見られたくないのだと思って、さよならしたんですって。数週間したら、新聞に立派な姿の、そのおじいさんの写真が載っていて、あの海の真ん前の公園のような土地と大邸宅の持ち主だとわかって、ぎょっとしたんですってさ。おじいさんは、健康の爲に毎回、スーパーまで歩いていたらしい。そして、その土地も屋敷も、尼さんの教会に全部寄付するというので、新聞にでてたのよ。だからね、あなたも、いつか、有名になって収入が良くなっても、決して見せびらかしたり、人を馬鹿にしたり、いばったりしない人間になってもらいたいわけ。すきなものを買ってはいけないとか、ぼろを着ろとかいう事ではないのよ。本当のリッチになってほしい。その意味わかった?」と言ったら、 「う~ん、少しだけ・・」 「17歳で、少しだけでも分かれば、よろしい。幾つになっても、分からない人がこの世にはウヨウヨいるからね」と言ったら、娘が 変な顔で私を見た。 。。。。と、ここで、日記は終わってましたから、その後の話を続きで ↓は手作りの家です。200度の海のながめ、海まで歩いて10分内 私の本の第一章にでてくるのは、このバルコニーです。

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