南カリフォルニアの青い空

2021/06/03(木)01:23

ピーウィーが戻って来た・・・と思う事にした その3

(写真は、2009年のピーウィー、バルコニーで) その頃は、私の手からでも、木の実を食べるようになついていたので、水と餌の入れ物を置き、毎朝「ピーウィー!」と呼ぶと、風のない日でも、ワサワサとあちこちの木が揺れて、どこからともなく現れ塀を伝わってバルコニーにやって来て食べるという日課が一月ほど続いたが、ある日何度呼んでも来なかった。 「ピーウィー来なかった」 「その内に戻ってくるよ、他で美味しいものみつけたんだろ。この辺は沢山の果物の木を植えてる人がいるから」とは最初の日の会話。 「ピーウィー今朝も来なかったよ」二日目に私が言うと、 「最近、コヨーテ警報がでてるからなぁ。昨夜もコヨーテの群れの遠吠えがきこえたし。食われちゃったのかなあ」と、グレッグが心配顔。 「コヨーテは木に登れないから先ず大丈夫だと思うけど、この辺は時々ボブキャットが出没するからね、あれは木にも登るから危険性はあるわね。でも最近は見かけないし、警報もでてないから・・・」と私は、まだ生きてる方に期待した。  この辺は、飼い犬、猫、馬をのぞいて、コヨーテ、狐、ボブキャット、リス、ウサギ、スカンク、オポッサム、ラクーン、鹿などがいて、希だが、マウンテンライオンもでるし、池の周りにはアヒルや鴈もたくさんいる。50キロ位先の山には熊もでるが、我が町には出てこない。100キロくらい北に住む、娘の家の近所では、結構熊が頻繁にでて、よく庭のプールで泳いでいたり、ジャクジで遊んでいたり、窓を揺さぶって家に侵入しようとしたり、ゴミ箱をあさったりするビデオをネットでみる。防犯カメラがふえたからであろう。これを書いた理由は、コヨーテやボブキャットがいても、彼等の餌食となる動物も結構たくさんいる事を表すためで、ピーウィーが餌食になる率はかなり少ないとグレッグや自分を慰めたいからでもある。  我が町では掲示板ならず、ネットで山火事、コヨーテ、ボブキャットの警報が出されるが、ここに25年住んでいて、ボブキャットは一度しか見たことはないし、警報も二度であったから、ピーウィーがボブキャットにやられる可能性はまずないと思う。  しかし翌日、グレッグが散歩の途中で動物の死骸の一部をみたけど、ピーウィーかもしれない、と悲痛な顔をして帰宅した。そのせいだろうか、 「昨夜、ピーウィーの夢を見た。一抱えもある大きなリスになっていて、いままで面倒を見てくれてありがとう、とヒロコに伝えてくれっていう夢だった。死ぬ前に知らせに来たのだろうか。夢っておもしろいね。動物と会話できるんだから」とグレッグが言った。 「あなたが、夢を覚えてるなんて、珍しわねぇ。死んだのかどうかはわからないけど、きっと、さよならを言いに来たのね」と二人ではなしたが、それっきりピーウィーは帰ってこなかった。  (続く)

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