業界関係者の方からこんな話を聞きましたので。
「今、日本のアニメ業界は中折れしかけている」
近年、アニメの本数が増えるのと同時に、京都アニメーションに代表されるハイクオリティーな作画でないと売れない現状が続き、ずっと「生活費もままならない」と言われていたアニメーターが、人数の減少と本数の増加により引く手数多、特に中堅どころの原画マンは相場が上がり、かなり給与面が平均して上昇しているという(現在、TVアニメのそれなりの原画は1カット平均4~5000円、劇場版だと10000円近く)また、動画は海外に依頼できるが原画は海外に任せられない、という状況なので売り手市場の「腕さえあれば稼げる」ある意味クリエイターとして「いい方向」に向かっています。
が、しかし、ここで問題になっているのがTV局とアニメーターなど末端をつなぐ「製作会社の負担」が一気に増大していること。
最近のアニメって一昔前のOVAや劇場版並みの作画枚数を使われていることに気が付いている方もいらっしゃるかと思いますが、アニメを作るお金は動画の枚数にほぼ正比例します。そのため、制作費が高騰、しかし、動画共有サイトやTV局の番組予算削減の煽りを食らって、その製作会社が立ち行かなくなる可能性がぐっと出てきたのです。
昔は製作会社はあくまでTV局の下請けとして、渡された予算内で作れるアニメを作ったのですが(それがアニメーター貧困の原因にもなっていた)、ビジネスモデルの変化(製作会社がスポンサーになる)によって、自分達もお金を出してDVDで回収というスタイルになってきました。そこに来て昨今のアニメーター不足と経費高騰。下手をしたら今後3年でアニメ製作会社が仕事はあるのに軒並み赤字状態になるという可能性がリアルに見えてきたとか・・・
この辺は次世代ハードに移ったおかげで全体の開発費が高騰したゲーム業界に似ています。
アニメの飽和状態は10年近く前から言われていたのですが、そのバブルが「中折れ」という形で弾けた時、日本のアニメ産業がどうなるか・・・結構怖いですよ・・・