もしかしたらゲームの映像の美しさって「びっくり箱の最初の一回目」程度の価値しかない気がする、というお話。
ゲームの魅力で「美しい映像」というのは案外慣れてしまうのが早いんです。例えば超絶グラフィックを売りにしたレースゲーム。すげえ!さすが次世代機!と思ったのは最初の15分で。後は淡々とレースゲームとして遊んでしまうんです。目が慣れる、とでも言うのでしょうか・・・せっかく作りこまれた背景も車も「ああ、そういうものなのね」と。
これはどのジャンルのゲームも同じであるのと同時に、逆にチープなグラフィックの面白さで全体を統一すると、それが味になってしまう(リズム天国みたいな)。そして一度「そういうゲームなんだ」と納得すると、逆にグラフィックが気にならない。
見た目のインパクトというのは、特に雑誌媒体や宣伝PVにおいて売り上げを露骨に左右します(半端なグラフィックであるだけで、まずお客さんの購買視野から外れます)
しかし、インパクトという意味であれば別に「リアル」にこだわる必要は無い。びっくり箱の中身に、ばね仕掛けの玩具が入っていても、ハトが入っていても、1000万円の札束が入っていても「相手を驚かせれば」効果は同じ。
そしてユーザーはいい加減なものなんです。チープな画像のゲームが面白ければこう言います「やっぱゲームの本質はグラフィックじゃないよね」。逆に超絶画像のインパクトで魅せるゲームが面白ければ「さすが次世代機にしか出せないゲームだよな」と。
例えばポリゴンでリアルなレースゲームをいろんなメーカーが作った結果、どれも「同じに見える」努力をしているとしたら、それはそれで寂しいです。