ヤングアニマルで絶賛連載中の将棋マンガ「3月のライオン」羽海野チカ 新刊が出ました。
いやあ・・・すごいとしか言いようがない。連載中も読んでいたのですが、単行本になると圧倒的です。特に今回は主人公より、その周りの「大人の戦い」に焦点が当てられているのですが、とにかく読んでいて吐きそうになるほどの、ヒリヒリしたプロ棋士の生き様、それを取り巻く世界に、将棋に興味のない私ものめり込んでしまいます。
で、このシリーズですが、実は友人のマンガ好きN氏にも薦めたんです。が、彼は一巻を読んで「もういい、俺にはあわない・・・」と、ギブアップ宣言。理由を聞いたら「めちゃくちゃ面白いんだけど、この作者さん特有の不安定な世界がもう見続けられない」と。
・・・たしかに。羽海野チカ先生の代表作でもある「ハチミツとクローバー」を読んだ時もそうでしたが、とにかく日常パートでギャグが多い。笑えるのです・・・が、そのギャグで醸成される愉快な世界が、常に「こんなあったかい、幸せな時間はもうすぐ終わるんだろうな」という、不安が付きまとう・・・そこがたまらなくやるせない。
だからこそ、ハッピーなマンガ好きのN氏には耐えられなかったのだろうと(ちなみに彼は「ぼくらの。」など終末系マンガもダメでした)。人それぞれの嗜好の違いですなあ。
一見甘口に魅せて、実は恐ろしいまで苦味も、酸味も、そして旨みも凝縮しているこのマンガ、ぜひご一読いただいて、各自でご判断いただければ。
最終更新日
2010.04.19 08:12:32
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