昨日、7年の航海を終えて、まさに流れ星になった「はやぶさ」ですが・・・
ふと思ったのが、今回、様々なトラブルに対して技術者の必死の努力と知恵の結果、ドラマティックな形で偉業を成し遂げたからこそ、今回のような皆がスタンディングオベーションで褒め称える業績であると思います。が・・・
もし、当初の計画通り「何のトラブルもなくミッションを終了させていたとしたら」私達は、この功績を今回ほど評価したでしょうか?
それこそ一部の天体ファンやマニアを除いて「たかだか衛星の砂粒をもって帰るだけに無駄な予算を使うな」という意見が、恐らくたくさん出ていたはずです。本来、宇宙開発事業団としてはトラブルが無いことを望んでいるにもかかわらず、です・・・
これって怖いですよね・・・「結果が全て」という考え方というのは、その過程を見ないことが多い、しかし、もし、今回このはやぶさの航海の苦難のドラマがネットなどを通じて皆に知れ渡っていなかったら、自分も含めて本当に彼らを今ほど評価したでしょうか?
人間は感情の生き物です。だからこそ、過程を無視した結果主義、成果主義が本当の意味で共感も、支持も得られない、逆に言えば、もしこの事業がもっと早い段階で頓挫していたら「税金の無駄使い」と非難轟々であったことは容易に想像できます。
だから私は、はやぶさが何の問題もなくミッション完了していたらと思うとぞっとするのです・・・
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