前にラジオであるDJが昔語りをした時のお話。
自分がこの業界に入りたての頃、ラジオ局の録音メディアは「オープンリール」っていう大きなテープ素材で、そのテープにたとえばインタビューなど録音したものを実際にハサミで切ったりつなげたりして放送素材を作る専門の人がいた。で、当時DATが世に出てきた際、音質もいいのでそれで自分が取材しようとすると、その人に「こんなもの使えねえよ」と怒られた経験がある。だけど、今の時代、さらに進化してパソコンやソフトがここまで普及してしまうと、それこそ1/100秒単位で素人でも編集できるようになっている。だから、プロの技術、っていうのは何だろうと思う事がある」
これは技術の「質」の問題だと思います。当時は人間にしか出来なかった技術、と思われていた能力が、より安価に、簡単に、確実に代用できる媒体の存在が出来ると、そこには何の意味もなくなってしまう。
パソコンの世界でも昔は100万円以上した3Dソフトがないと出来なかったCG動画製作が、それこそもっと安価に、素人にも使いやすいソフトが普及する事によってソフトのレア度に頼っていたプロが淘汰される、そんな状況にもなります。
自分も技術職だけに、いつ、この仕事が素人にも簡単に出来る時代が来るかわかりませんから結構怖いです。
最終更新日
2011.06.08 08:17:43
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