宮崎監督のアニメーション会社「スタジオジブリ」の代表作品といえば、やはり、キャラクター性や知名度、幅広い人気も含めて「となりのトトロ」ということになるのが一般的でしょう。現に映画の冒頭でかならずジブリの冠を現す絵として登場しますから。
しかし、このトトロ、公開当時はマニアから叩かれたんです。それは、今まで宮崎監督の作品がナウシカやラピュタ、カリオストロの城など、冒険活劇が多かったので、そういう作品を期待していたファンにとっては「こんなの宮崎アニメじゃない!」とか「人気取りのために子供向けに迎合した」と叩かれたことがありました。
で、時代がたって今の世代の感覚だとジブリの作品=家族で見られる安心のブランド のイメージが強いですよね。なにしろ10年前、もののけ姫のプロモーション動画で野武士の首や手が飛ぶ映像に「こんなのジブリじゃない!」と言った人もいるぐらいですから、イメージとは勝手なものです。
ゲーム業界にもそういうところがあって、一作目はとにかくごった煮的に面白そうなものを片っ端から突っ込んで、それが評価されたのに、シリーズを重ねるごとに「○○のイメージとあわない」という勝手な足かせを作ったり、逆にファンが「○○はこうあるべき」と決め付けてしまう場合もある。
保守と革新の併用は難しい。しかも、口うるさいマニアほど保守的でありながら革新を求めるという矛盾を「当然のこと」として語るのですから。脳トレとか携帯のソーシャルゲームを遊びもしないで「こんなのはゲームじゃない、こういうものが業界を堕落させる」と言ったり。
追記:イメージで思い出したのですが、エヴァンゲリオンの論争がオタの間でブームであった頃に飛び出した、あるマニアの発言。
「庵野はエヴァのことを何もわかっていない!」