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漫画家が自分のキャラクターに自分の政治思想を載せることはどうなのか、について。
漫画「遊戯王」の作者さんが、自身のキャラに本編とは関係のない政治的発言をするセリフを描いたイラストを公開した、ということで批判があり、それに対して作者が謝罪するというニュースがあって。 これが「異常な事態である」ということに気が付いてほしい。 いや、何が異常かというと「自分の政治的思想を公表することを謝罪させられる」という世間の圧力というか、「空気読め」みたいなことが当たり前になっている。これは芸能人や声優が政治について語ると「芸人風情が素人考えで政治を語るな」みたいなことを平気で言ってくる人がいる。 で、マンガの起源であるポンチ絵というのは、当時の新聞などで政治を批判する風刺画が発祥で。そういう点でも漫画家が自作品で政治を語るのは何のおかしさもない。昔から新聞4コマに代表されるように、むしろ「漫画というわかりやすい媒体で世の中の人に政治を訴える」優れた表現手法です。 今回問題とされているのは本編作品内では政治的なことを言わない(カードバトル漫画)キャラが政治について語っている、ということに「作品の雰囲気を壊すな」みたいな意見が大半でした。が、これってよくあるコラボイベント絵と何が違うのか?ほら、マンガキャラが本来の作品と関係ない商品のマスコットキャラとして広告しているのはダメなのか? それに今回のイラストは漫画本編ではない、あくまで作者が個人的に描いたものであり、これは誰からも文句を言われる筋合いはない。漫画家が自分の作品のキャラを原稿料が発生しない場所で書いて何が悪いというのか?だとしたらツイッターに漫画家さんが本編と違うキャラのギャグ、パロディーイラストを描くことがあるが、あれもダメ、というのか? また、漫画本編と関係ない政治思想を入れた作品なんて「美味しんぼ」に代表されるようにいくらでもある。あるいは、自分の応援する政党の漫画を描く人は「イメージが崩れる」から書いてはいけない、なんてだれが決めたのか?有名、無名は関係ない。 少なくとも漫画というのは原作者がその世界の「神(創造主)」であり、そこから作られるものが絶対。よくあるマニアがのぼせて「こんなの〇〇じゃない!」と言っても、それはファンが勝手に作った世界観でしかない。 ただし、私が今回「その言い方はない」と思ったのは、先生が「今の売国政権で日本は大丈夫か」という言葉を使ったこと。私は売国という言葉を自分の異なる政治思想に使う人間は嫌いです。それは自分と違う思想の相手を攻撃する際によく使われるけど、差別の温床になる、一方的に相手を悪い側として扱う言葉だから。 「自分の意見と違う=売国」 という定義をする人は思想の右左関係なくおかしいと思う。 「漫画家だろうとタレントだろうと一般庶民だろうと貧乏人だろうと一票の重さは同じ。だから民主国家であり、有権者の政治表明の自由を圧力で妨げられてはいけない」と思います。 だから「高橋先生の政治的主張はおかしい!」というのは政治への思想が違うのをぶつけているだけなのでOKだけど「イラストを消せ!こういうものを発表するな!」と、相手のペンを奪う、表現検閲になってはいけない。このイラストを「よくやってくれた!」と喝采している人も反対側にはいるのだから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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