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FANTA-G

2021.07.25
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「竜とそばかすの姫」を見てきました。「ミライの未来」以来、久々の細田守監督最新作で。

 正直、時をかける少女、サマーウォーズ以降の彼の監督作品は私にとって「あ、あれ?どうしちゃったの?」という感覚が強かったのですが、今作はどうであろうかと・・・以下、ネタバレありで









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 感想としては「2重の意味で監督が客を信じていない」作品だなと・・・

 まず今回一番感じたのが「シナリオが荒すぎる(穴が多すぎる)」ということ。これ、多くの見た人も感じたと思いますが、とにかくご都合主義・・・というか唐突すぎ。たとえ偶然であっても説得力があれば客は心地よくだませるんです。が、今回の特に後半部分は、たまたま拾った石がダイヤモンドだった、それを主要キャラ3人が偶然持ち合わせた、ぐらいの粗さ。これはドン引きレベルで・・・何とか伏線的に事象を関連付けようという努力は見えるのですが、正直「んなもの伏線じゃねえよ!」と突っ込みたくなるレベル〈たまたま撮った写真の背景のビルが小さな天窓からわずかに見切れるビルに似ている)で・・・

 また、たとえ奇跡であってもその奇跡の後にそれを肉づける裏打ちされた行動があれば、面白さで私も騙される説得力はうまれるのですが、実はそれすら否定してしまうヒロインの行動。まさかあれだけ危険な状況であるのに、特に理由もなく単独でヒロインだけ周りも東京に送り出す、リアルでの人の絆とか大切な場面で周りの連中は親友も、恋心を持つものも、ずっと見守ってきた大人もだれもついてこない、鬼かと。(子供に暴力をふるっている相手に対して少なくとも女の子一人で送り出すなんて危険は普通、見過ごさないよね?)結局お前らもネットと同じ傍観者かよ!という冷めた目線になってしまう。

 また、虐待を発見し、児童相談所に連絡したにもかかわらず48時間ルールを盾に跳ねられる描写は、正直現場で働いている人を馬鹿にしているとしか思えない(現行ですとあそこまで証拠がそろっていることを説明すればあんな塩対応はされません)。しかも、あれだけのことをしていながらそのDV受けていた子供が「偶然街を探していたヒロインにこれまた偶然ピンポイントのタイミングで発見される」という・・・身バレを恐れる状況の父親が監禁もしていない。ふらふら外に出歩けてるし・・・せめて隙を見て逃げ出す、あるいはヒロインに現在位置を知らせる描写があればまだ納得できたのですが・・・

 また、WEBカメラからのわずかな情報から位置を割り出す、ってのは、この手の作品では肝になる部分です。が、「嘘つけ!」」とあきれるレベルで単純化されていて(実は身近で何度も見た光景で思い出した!みたいな方がまだマシ)。わざわざ高知から土地勘の全くない東京まで距離を取る意味があったのかと・・・

 デジタル位置特定技術が発達しているといっても、もうちょっとマシな特定方法があるはずでした。(DV父親がやった不用意な行動で場所が特定されるような因果応報があるかと思ったのに・・・)

 まあ、シナリオの荒は置いておくとして、今作で最も気になったのは・・・「セリフで全部説明するな!」というw。もう不自然を通り越してこれは状況説明を全部説明するつもりかと。いちいち感情や今やっている行動まで語られると、不自然すぎてどんなに感動的なシーンも壮大であればあるほど冷めてしまう・・・どうしていいやら。しかも正直、声をやっているのが声優ではない人らしく、素人芝居っぽくて画面にあわない。これはサマーウォーズ以降、細田作品でずっと感じているのですけど、今回はそれがさらに台詞が多いだけに痛いレベルに感じましたよ。

 いやあ・・・いいシーンや面白いところはいっぱいあるんです。ええ。しかし、そのプラスの部分を全て上の2つが殺していって、全く画面に入り込めない、そうなると終始突っ込みモードで見なければならない作品でした。逆に言えば、荒唐無稽であっても先日見た「映画大好きポンポさん」はご都合主義を強力なけん引力で演じきった、あちらにもネット世論を使った描写をうまく落とし込んだ作品で。同じ嘘でもこれだけの差があると。

 うーん・・・思うのですが、細田監督、基本的にネットでの人のつながりを語りつつ、実際は観客を信じてないなと。でなければ頻繁に出てくる言い訳のようなネットの否定的意見を執拗に入れるのは「この映画を見て批判されることを恐れた事前の予防線」としか思えない。かといって素人の私にすら突っ込める穴は「見る側の良心を信じる」という甘えに頼っているような、そんなちぐはぐさを感じました。

 思ったのは「大衆受けを狙う作品の場合、分かりやすくしなければいけない」というのを「見る側の知的レベルを下げて設定すること、大衆はこのぐらいまで説明しないわからない、このぐらいのシナリオの穴は気が付かれない」と勘違いしているんじゃないかなあ・・・そんな感想でした。






最終更新日  2021.07.25 18:39:11
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Re:竜とそばかすの姫:感想(07/25)   もにゃら さん
私も観ました
音楽と映像表現は素晴らしかったですがストーリーはガバガバでしたね(苦笑)


説明しすぎ問題は…

これは監督だけの問題ではないかもしれません
昔は映画やテレビの感想を発信する術は限られており、しかも敷居が高かった。
でも今はSNSで誰でも気軽に感想を発信出来るし、製作側も受信出来る。
その結果、映画の製作サイドも気づいてしまったのです。
世の中には恐ろしく読解力が低い人が結構居る、ということに…

分かりやすく言うと、ツンデレが分からない。
声のトーンや表情からその台詞を発したときの心情を察するということが出来ない(やらない?)
だから『嫌い』という台詞を文字通りの嫌いとしか受け取らない。
もちろん、親友に裏切られた人物が真っ暗な中、階段を下りていくという場面を入れて、彼が闇落ちしたということを示す演出とかも意味意図を読み取れない。

そういう人たちにもわかるようにするにはひたすら台詞で説明! (2021.07.25 22:44:20)

Re[1]:竜とそばかすの姫:感想(07/25)   もにゃら さん
ちなみにそういう人の感想とか見て衝撃を受けたことがあります

とあるホラー映画なんですが…
主人公は表向きは家族思いの理想的なパパさん
実態は逆という人物です

近所の人や会社の同僚には『妻子を愛している!』というアピールを繰り返し、自分のブログでも『娘の笑顔のためならどんな辛いことでも耐えられる』とか『今日は娘のための○○を買いにデパートに行きました』とか家族思いアピール

でも実際はというと家事や育児は奥さんに丸投げ。ブログ用の『僕は家事を手伝う良いパパさんです』写真を撮るときだけ、家事を手伝う
奥さん既に夕食を用意したのに『家族サービスで外食に行きました』写真のために外で食事
奥さんは体調悪いと言ってるのに、素敵な家族アピールのためのホームパーティを強行
娘が怪我をして病院にいったのにブログ更新に夢中
さらに会社の同僚と不倫している描写や、奥さんを内心では見下しているという描写付き

などなど
暴力を振るったりこそしませんが、彼は家族を愛しているんじゃなく、『家族思いの自分』を愛しているんだなあとハッキリ分かるよう描かれている

それを素で『家族思いの優しいパパさん』と解釈する人がいるという…
原作者さん自身が『そんな人が居るなんて』と驚いていました (2021.07.25 23:14:54)

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