ネガティヴ・ポイント
「17歳の男子、母親の頭部を切断」ソースhttp://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070515k0000e040012000c.html母親の生首持って警察署に自首してきた高校生(17歳)の事件について。現時点ではこの男子生徒に問題があったのか、親に問題があったのか、それとも学校などの生活環境に問題があったのか、それはわからない。徐々に真相が明らかになるんだろうが、複雑な事情がありそうだ。はっきりしてる点で注目したいのは、この男子生徒が精神疾患を患っていたという事。これは自分の個人的な意見だが、どうかテレビ等のマスコミは事件を病気のせいにしないでほしいと願うばかりだ。今朝の中国新聞は「精神科に通院していた」としか記述してない。その程度でいいと思う。しかし、これが実は、男子生徒が統合失調症やその他の特定の精神疾患を患っていたと、マスコミが絶好の材料として報道をしたらどうなるだろう?一番被害に遭うのは、何の罪もない、ただ平穏に暮らしたいと願っているだけの精神病患者の人々だ。その男子生徒と同じ病気を患っていたりしている入院患者は、それだけで大変だ。不当な差別や中傷を受けるかもしれない。近年になってやっと、軽い精神病でクリニックに通う事は一般性を帯びてきたとはいえ(うつ病のCMやってるくらいだから)、「精神病院」は普通の人にしてみればまだまだ未知で不透明な領域だろうから。マスコミはいつも、猟奇的な犯罪が起こるたびに、殺人者の「心の闇」をなんとか解明しようとする。そんなもの、実際にはありはしない。というか、何をもって「心の闇」とするんだ?どの人間も普遍的に持ってる『悪の心』の事を言ってるのか?あらゆる人間の心の中に偏在しているのなら、最初から犯人だけが持っているであろう「心の闇」など存在しないのと同じ事じゃないだろうか?ニュースのキャスターもコメンテーターも、僕もあなたも、みんな持ってることになる。しかし、そんな曖昧な事で視聴者は納得しないだろう。人々はもっとピンポイントなものに、犯罪の正体を求めている。人は、具体的に残虐な事よりも、不安で曖昧になってる部分にこそ怖れを抱くからだ。もしそんな事になったら自分はマスコミに失望する。フィクションならともかく、殺人者が殺人に及ぶ動機が、たった一つの原因に収斂されることなどあるわけない。自分は犯罪心理学者ではないけれど、色んな負の因子が複雑に絡み合って、それが十数年もの年月をかけて犯人個人の体験として蓄積され、初めて事に及ぶものが大半だと思う。だから一言や二言で、その場限りで説明のつくようなコメントを、テレビなどでしないでほしいと願うだけだ。インターネットが発達しても、まだまだテレビの発言力・影響力は絶大なのだから。応援クリックお願いします