農地の中を平然と歩く野生のサルが目撃された。地域内の有線放送でも、出現や被害情報が頻繁に流され、近隣の飼い犬が被害にあったとの話がいくつも伝わってくる。
特に犬が怯むからなのか、急所(大事なところ)を真っ先に攻撃したりするらしく、かなり悪質だ。
実際「犬猿の仲」というのはあるようで、サルは犬と大人の男性が嫌いだそうである。
ファーマータナカの家でも、大騒ぎだ。何故なら愚妻の溺愛するゴーイング・マイ・ウェイ犬ひめ(飼い主はおろか全く周りの状況や立場を意に介さない)の存在があるからだ。
サルは夜行性ではないのだが、「こんな状況なら、一瞬たりとも外出も出来ない、一体麻生首相はどういうつもりなんだ、もし被害にあって死んだりしたら即離婚だ(何という短絡、意味がわからん)と、日常生活は破綻寸前の有様だ。
日田市からの対策のチラシには、とにかく大きな声を出したり、石を投げたり、挙句はロケット花火を打ち上げろだとか、パチンコで打てと書いてある。
何もそこまでしなくてもと思われるかもしれないが、ちゃんと意味があるのである。
サルは雑食で、果実や虫などを好み、肉や魚は好んで食べない。群れはメスと子供が中心で構成され、オスは大人になると群れから離れ、別の群れに入ったり、離れザル(単独・オスの群れ)として生活するそうである。
となると、出現しているサルはオスの離れザルということか。
サルは学習能力が高いので、慣れると大胆にもなり、又一度味わった恐怖体験も忘れないといわれる。
ファーマータナカが思うに、今や宇宙船地球号の最大のお荷物(環境破壊も含めて、害獣といってもいいであろう)となった人間。
その人間が人間サイドからだけ見て、かわいそうだとか、少し位餌をあげたっていいだろうとか、という意識ではいけないという事なのだ。
根本的に森林や農地(農地は自然そのものではないが)を荒廃させるべきではないという大前提の上で、現実問題としてひとまずは、サルをはじめとして野生動物と共生し、棲み分けでいかねばならないのである。
人慣れや餌付けに繋がる事を避け、サルの環境の中で生きてもらわなければならないのだ。
もちろん追い払うだけでなく、共生できる環境を再構築していくという大命題には、当然立ち向かっていかなければならない。
個人的には何とか離婚だけは避けたいものだ。