昨日はファーマータナカも属する産直の部会のひとつである、大山農協日田部会(話がややこしいが、大山農協組合員以外で、大山農協の産直店に出荷している者の組織)の20年度総会があった。
そこの冒頭の挨拶で、「会員の皆さんに苦渋の決断をお願いした。」旨の発言があったので、「うむ、何の事だ。」と思っていたら、総会が進むにつれて、その内容が少し見えてきた。
早速調べてみたら新聞報道もされていることなので、読者の方々にもその内容をお知らせし、ぜひ考えていただきたいと思い、ここに紹介する。
大山農協が運営する木の花ガルテン関係施設は大山町、大分市、福岡市に7店舗あり、農産品、レストランの07年度取扱高は16億6181万円。
今でこそ珍しくないが農産物直売所の先駆的施設である。
4月16日に木の花ガルテン大山店に隣接する日田市中ノ島町に、日田天領水で有名な会社が「日田天領水の里 元気の駅」をオープンしたのであった。。
全国梅干しコンクールで日本一の最優秀賞に輝いた日田市大山町の梅干し生産農家、黒川正輝さん(65)=屋号・マル金ファーム=が、16日に開業する同市中ノ島町の「日田天領水の里 元気の駅」への出荷を決心した。大分大山町農協(矢幡欣治組合長)が直営レストラン・農産物直販施設「木の花ガルテン」出荷登録者に対し、元気の駅とのダブル出荷に圧力を加えたが、「圧力には屈しない」と反発した。また、元気の駅出荷登録者の「元気の会」(119軒)は12日夜の役員会で、独占禁止法違反の疑いがあるとして個々の判断で公正取引委員会に通報することを決めた。・・・
地元のガルテン、ひびきの郷、水辺の郷に出荷しているが、今回元気の駅にも登録し、元気の会会長に就任。ところが、過去にもあった農協の圧力のためか、野菜農家など9軒(うち梅干し4軒)が様子見に。「開業時、梅干しはうちだけかも。一村一品運動の発祥の地のシンボル・梅干しをもっとアピールするチャンスなのに、農協の囲い込みは生産者や消費者の利益を裏切っている」と批判。
(毎日新聞 2009年4月15日 地方版より一部抜粋)
日田市の大分大山町農協が「日田天領水の里 元気の駅」への出荷者に圧力を加えている問題で、同市天瀬町の70歳代の女性農業者に「七つをとるか、一つをとるか」と迫ったことが分かった。
農協直営の農産物直販施設「木の花ガルテン」関係7施設か、元気の駅だけか選択を迫ったもので、女性は「明日からでも生活に困る。こんなことが許されていいのか」と悔しさを隠さない。ほかにも同様の情報がいくつも「元気の駅」に寄せられ、なりふり構わぬ姿勢が問題視されそう。
女性によると、16日夕、ガルテンに漬物を納入しようとしたところ、農協職員2人から問題発言があった。職員は「上から指示があった」と説明したという。元気の駅に出荷している女性の長男は「脅迫だ。世間知らずの傲慢(ごうまん)さを感じる。訴訟も辞さない」と怒る。
これに対し、農協第一理事の江藤剛ガルテン部会長が17日、記者会見。「(元気の駅に)出すなとは言っていない。出すならガルテンは遠慮してほしいと言っているだけ」と弁明。さらに「元気の駅との競合でガルテンの売り上げが25%はダウンしそう。20年近くかけて育てたガルテンをつぶすわけにはいかない」と話し、出荷者囲い込みは「独占禁止法には抵触しない、と自分は思う」と語った。
(毎日新聞 2009年4月19日 地方版)
日田市の大分大山町農協が経営する農産物直販施設「木の花ガルテン」出荷者囲い込み問題で、監督・指導する立場の県団体指導・金融課は「他店への出荷制約が事実であれば独占禁止法や農業協同組合法の趣旨に抵触する可能性があり、好ましくない」との認識を示し、同農協に対して報告を求めたことを明らかにした。一方、「日田天領水の里 元気の駅」出荷者に対する同農協の圧力が今もなお続いている。
今回の問題について同課は10日、同農協に対し速やかに経緯を報告するよう求め、現在、事実関係を把握中という。農協法は、「組合は組合員と会員に最大の奉仕をする」などをうたっており、同課によると、「元気の駅に出荷した組合員に対し施設(ガルテン)の利用を制限したならば、この趣旨に反するおそれがある」という。また、同課は「『元気の駅』オープン(16日)時に大きな混乱はなかったと受け止めているが、騒ぎになったこと自体、農協の健全なあり方として好ましくない。このようなことがないよう(報告時に)指導・要請する」と話した。
一方、ガルテン、元気の駅ダブル出荷者に対する同農協の圧力情報が、毎日新聞になおも寄せられた。
情報によると、ここ数日だけでも、ダブル出荷の生産者は同農協幹部から「どちらかを選べ」と迫られ、腹を立てて元気の駅1本にした。別の生産者はガルテン大山店から出荷農産物が撤去されていたという。
このうち野間大池店(福岡市)で19日、福岡市議がダブル出荷している親類の農産物加工品を指定して贈答用にまとめ買いしようとした。だが店員から「在庫はあるが何か問題があるそうで、こちらの方がいいですよ」と全く別の加工品を勧められ、あきれたという。
(毎日新聞 2009年4月22日より 一部抜粋)
実はこの話には前段がある。
地域づくりや一村一品運動のモデルとなったことで知られる大分県の大山町農協に独占禁止法違反の行為があったとして、公正取引委員会九州事務所が改善を指導したことが4月3日、分かった。
公取委が、大山町に隣接する日田市の専業農家でつくる「ひた認定農業者の会」から「大山町農協が不公正な取引をしている」との訴えを受けて調査したところ、大山町農協が排他条件付き取引を強要していることが判明した。
大山町農協直営の農産物直売施設「木の花ガルテン」(同町に1店舗、福岡、大分両市に各2店舗開設、年間取扱高は約12億円で出荷農家は約2300人)に出荷する同市の複数の農家が2002年秋から生協の「直売コーナー」にも出荷を始めたところ、農家に対し大山町農協が「木の花ガルテンに出荷か他店への出荷か選択を」との文書を送付。これを受けて「ひた認定農業者の会」は「地産地消の先進地なのに、よその地産地消にブレーキをかけることはあってはならない」として大山町農協に文書撤回を求めた。しかし、大山町農協は「他店を取るなら出荷者登録を抹消する」と、二者択一を迫った。
これにより農家の一部が生協への出荷をやめざるを得なくなり、「ひた認定農業者の会」は自由な取引を妨害したとして、公取委に調査を求めた。
公取委は、農家に二者択一を求めたことは独禁法が禁じた排他条件付き取引に当たると判断。大山町農協に自発的な改善を促し、対象農家に謝罪して訂正する文書を出すよう指導した。
(News Drift 農業関連スポットニュース8より 2003年4月4日)
以上が事の経緯である。
今回はあえてコメントを避けるが、参考までに弁護士の方の解説をリンクしておく。
弁護士 川村哲二 覚書 (2009年4月13日、2009年4月19日)