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2009年06月02日
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カテゴリ:販売

S氏は独身の新規就農者、ハウスと農地を借りて、直売所向けのいわゆる小物野菜を栽培している。
一人で小規模だと、農協のある部会に属する程の単一の農産物の収量が上がるわけでもなく、従って当然市場出荷はできないので、販売はすべて直売所である。
もともと売却率はあまり芳しくなかったのだが、ある直売所の売れ行きが特にひどい。
ありがたい事に当地区は出荷可能な直売所の数だけは多いので、その直売所への出荷は見合わせることにしていた。

彼はバイクに乗るので、ある日その直売所までバイクを走らせてみた。
どんな立地で、どのような店舗で、どのような客に販売されているのかを知ることも今後農業で飯を食っていくためには必要と考えたのも至極当然だ。

店に入って、一通り見回ってみると、いくつか?と思うことがあるのに気が付いた。
一点は、いくつかの場所に、
「生産者のご好意により、半額でサービス販売いたします。」といった旨の張り紙があり、何種類かの農産物が集められたコーナーがあり、そこでは農産物が半額で販売されていた。
もう一点は、その半額の農産物の価格表示シールであるが、本来生産者が張っている所定のバーコードシールの上に別のバーコードシールが貼ってあった事だ。

その時ははっきりと認識できなかったが、帰路そして帰宅後もう一度考え直してみると、やはりこれはおかしいのではと思うに至った。

・ そもそも直売所は生産者のつけた価格を勝手に変更して販売していいのか?
(少なくとも直接S氏には、「半額で販売してもよろしいですか。」との打診があった事は無く、管轄するJAや産直部会や他の出荷者からそのような値引販売が現に行われているとは聞いたことがない)
・ 仮にS氏の農産物も半額で販売されていたことがあるとして、S氏の元に届く精算書にそのような単価で販売され入金された記載はない。
・ 新たに貼られたバーコードシールで読まれた売上は誰の売上になっているのか?

以上がファーマータナカがS氏より聞いた事実の概要である。
S氏の言葉にもちろん嘘はないだろう。
おせっかいファーマータナカは当然アクションをとった。
担当するJAの部署及び産直部会幹部への事実調査依頼と、先方への確認、そして今後の対応協議とその報告である。
真実はどこにあるのか、第三者である読者の判断も仰ぎたいところだ。

農産物直売所での販売はいわば「委託販売」だ。
委託販売とは、「委託者が受託者に対して商品を販売することを委託して、商品を発送し、受託者が当該商品を委託者に代わって販売する。」というものと定義される。
企業会計原則では、原則として、「委託販売に対しては、受託者が委託品を販売した日をもって売上収益の実現の日とする。」とある。

ここで原則を確認しておこう。
ファーマータナカはかって難関の税理士試験に挑戦し続けた(=合格していない)経験を持ついわば税務会計のプロもどきだ。(こういうのが一番厄介だ)

企業会計原則第二-一-A(発生主義の原則)において、「すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割り当てられるように処理しなければならない。ただし、未実現収益は原則として、当期の損益計算に計上してはならない。」と規定され、期間損益は、発生主義を基礎としながらも、収益の認識にあたっては、原則として、未実現収益を計上しない、つまり、実現主義の制約が設けられている。
更に、企業会計原則第二-三-Bにおいて、「売上高は、実現主義の原則に従い、商品等の販売又は役務の給付によって実現したものに限る。
ただし、長期の未完成請負工事等については、合理的に収益を見積もり、これを当期の損益計算に計上することができる。」と規定されている。
従って、売上高の認識はこの実現主義を適用することになる。
通常の売買取引においては、この実現した時点というのは商品、製品またはサービスを提供した時点、即ち、販売時点とされており、販売基準と呼ばれている。

何やら仰々しいが、要するに、「売れてなんぼや。」ということだ。
しかし現実は生産者も脇が甘いといえる。
何故なら農産物を出荷した時点では、まだ売上は実現していない。
なのに直売所への配送や農協への出荷が終了した時点で仕事が終わったと考えている節がある。
あとは忘れたころに農協の口座に手数料等を控除された残額が振り込まれる。
(この残額というのも曲者だ。企業会計では総額主義が原則であるのに、生産者はほとんど残額(純額)しか計上しておらず、あるいは奥さん名義の口座に振り込まれて売上計上自体をしておらず(=所得隠し)、はたまた市場出荷等については純額で計上してもよいという特例まである。この件については後述したい)
もちろん直売所における出荷数と売却数の照合や売却率の計算、精算書の誤謬の確認等、通常販売者や販売業者がやるべき業務をしている生産者は直売所多しと言えどもファーマータナカとあと数十人位(?)だろう。

そもそも直売所は生産者が自分で売価を設定できるので、市場出荷に比べて理想的な販売形態ともてはやされているが、ファーマータナカに言わせれば、販売価格が決められない事の方が異常だ。
いくらで売れるか他人(JAや市場)任せで、原価も利益も事業計画もあったものではないというか計算不能である。
又販売価格を決めても、50%しか売れなければ、設定売価は現実とはならず、100円のつもりが50円ということと同じになる。
実際は売却率が低く、10円、20円という計算になるかもしれない。
ついでに言うと、「顔の見える取引」というが、ただシールに名前が書いてあるだけである。
ある直売所では、会社名や団体名の記載は許さず、個人名で出して下さいというところもある。
すなわち、農家のおばさんが、「丹精こめて、きっと農薬使用も抑えて作っている野菜ですよ。」というイメージを売ろうとしているともいえる。

そのうえ、冒頭の話である。
売れ残った農産物は原則廃棄だ。
廃棄する位なら割引販売という手もありそうだが、委託販売でこれをやると、様々な問題が生じてしまうので、原則できないことになっているようだ。
(どの時点で割引するか、どの位割引するか、多品目につきいちいち確認をとるのは不可能等)

生産者と消費者に多大のメリットがあるといわれる直売所だが、実際は直売所を持つ側(量販店や直売所運営組織)は仕入れのリスク、万引きのリスク、在庫管理のリスク、クレームのリスク等はなく、直売所があることで集客して他売場でお金を落とさせることができるというメリットを享受しているといえるのだ。
読者に一考をお願いしたい。

いつも辛口で恐縮だが、現実から出発すべきと思うので、敢えて記す。







Last updated  2009年06月02日 09時17分45秒
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