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入江てつ@ Re:有機リン系殺虫剤(06/07) EPN在庫ありますか1本
佐々木春香@ Re:お中元商戦真っ盛り!!(07/29) こんにちは! 島根で規格外のお野菜をレス…
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2010年10月09日
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カテゴリ:病害虫

巷では、農業といえば、或いは、例えばトマト栽培といえば、有機栽培とか、無農薬栽培とかの言葉が、連想ゲームのように導かれ、その言葉が大手を振って闊歩している。

最近ここ上津江でも、地域興しの一環として、毎月20日に、日田市内の空き店舗を利用して、直売の市が立てられ、地元の有志が、地区の露地野菜や加工品を集めて、市内まで運んで対面販売を行っている。
だが、現実には、高冷地の当地でも、猛暑でまともな野菜はほとんどできず、又できたとしても、農薬を積極的に散布しない事もあり、虫食いで穴だらけの野菜も多く、品質が悪いと言うことで、売れ行きは芳しくない。
消費者は一方で、有機や無農薬を求めるが、虫食い(=農薬無散布)は願い下げというわけだ。

日田市では、農家の所得向上のため、数年前から産直野菜の栽培出荷を促進するため、ミニハウスや管理機(畑を耕す機械)の導入に補助金を出す事業を創設している。
その事業で新たにハウスを建てて無農薬のほうれん草づくりに挑戦した地区のT氏は、虫だらけでひとつもまともに収穫できないと嘆いている。

一方スタッフの一人のS美さんは、最近連れ合いのお母様が亡くなられて、自家野菜の世話もしなければならなくなったのだが、原形をとどめない虫だらけの白菜を目の当たりにして、茫然自失だ。

ファーマータナカは、9月末のある日、トマトのハウス内で、トマトの葉の表面にほんの僅かに、白い粉のようなものがついているのを発見した。
ここは早目に、羅病株だけでもと背負いのスプレー(防除機)で、スポット防除を迅速に行ったつもりであった。

しかし実はプロの農家の端くれなら、その時点で失格ということであろう。
何故なら、プロであれば、病気が発生しないような栽培環境を整えるであろうし、あるいは
発生を見越して農薬の予防散布をするであろう。
(病気によっては発生後の防除は困難であり、予防防除に努めましょうと明記してある)

数日後、その白い斑点は、あっという間に蔓延し、その数日後には、発病した葉は黄化し、やがて枯れ上がってしまい、挙句に枯死してしまったのであった。

うどん粉病というしろものであった。
(ファーマータナカは以前からこの農業関係の病害虫に関してのネーミングがイマイチ気に入らないのであるが、この件は次項に譲ろう)

うどん粉病1

うどんこ病は9,800種以上もの植物で発生することが知られている病気で、庭のバラや道端のコスモスなど身近な植物の上で簡単に見つけることができるものだ。
うどんこ病菌と一口に言っても、その種類は14属199種に上ると言われている。

うどん粉病の病原菌は絶対寄生菌であり、生きた植物体にのみ寄生する。
植物の葉や茎に白色粉状のカビを発生し、光合成能力を低下させ、生育不良や、収量減を招く。
また花弁や果実に発生して品質を著しく損なうこともある。

又、うどんこ病には多くの種類があるので、中には色々な植物に寄生する種類もあるが、主にはそれぞれ違う植物に寄生するとされる。
例えば、バラのうどんこ病はバラにしか発生しないということだ。

一般に乾燥状態が続くと発生するとされ、発芽適温は20~25度であり、露地栽培では実害は少なく、施設栽培では3~6月および10~11月に多発して問題となる。

そもそも殆どの病原菌は常在菌であり、台所の残りかす、持越したカレー、お正月の餅など、あっという間にカビだらけになってしまう現実を見るにつけ、奴等病原菌も生命の原理と論理に従って、虎視眈々と増殖繁栄を窺がっているのは間違いない。

ということで、季節の変わり目で、当地は高冷地なのであるから、温度と湿度の関係から、当然予知して対処すべきであったと言うことになるのだが、果たしてどうであろうか。
 
うどん粉病の分生子の発芽は、20℃前後が適温であり、高湿度や水滴には弱い傾向があるので、施設内では乾燥しすぎないよう適度な湿度に管理することが大切だという。

まず温度的には、夏から冬へ向かう途中で、20℃の温度帯を避けるのは不可能だ。

又、一般に胞子が発芽するには水分を必要とするが、実際にはうどんこ病菌の分生胞子は細胞壁の厚さが薄く空気中からでも容易に水分を取り込むことができるため、植物体表面に水滴がない湿度40-90%という条件下でも発芽し、発病させることが知られている。

従って、ハウス内で湿度を40%以下にするのが現実には不可能であり、又反対に高湿度では他の殆どの糸状菌由来の病気が出やすい好適な環境となるので、湿度的にはあちらを立てればこちらが立たずで、発生しにくい環境づくりは絶望的だといえる。

ということは、無菌状態が可能な完全閉鎖型植物工場でない限り、予防散布しか手が無いということだ。
だとすれば、無農薬や減農薬(発病していない病気に対して予防防除するわけだから)は他の数多の病害虫の存在を考えると、相当難しいということになる。
(堆肥や土作りで病気にかかりにくい作物を作ればよいという考え方もある)

さらに厄介なことに、実はトマトのうどんこ病は2種の病原菌によって起こされる。
オイデイウム(Oidium)ビオラエとオイデイオプシス(Oidiopsis)シクラだ。
オイデイウム菌による場合は、葉の表面にうどん粉を振りかけたように白いかびが密生し、被害部の組識が黄化する一般的にうどんこ病とよばれてているものだ。
一方オイデイオプシス菌によるものでは、葉の裏面が帯紅褐色に、また表面は黄色に変り、菌糸が葉の組織内を蔓延し、葉の表面に発生するかびは非常に少ない。

うどん粉病2

ということで、白い粉の認知がなければ、うどん粉病の発生はないということではないのである。

これから先、温度を捕るために、夏季は開放しているハウスを閉めることになる。
トマトの主要な病気である、灰色カビ病、葉カビ病、疫病と農家を苦しめる糸状菌達は、今か今かと出番を待っているのだ。

ファーマータナカをはじめとする農業者の、それでも勝ち目のない勝負に毎日挑んで行かざるをを得ない絶望感をご理解いただいて、ご注文をお願いする次第である。







Last updated  2010年10月10日 10時14分54秒
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