電子申告・納税の夢は馳せ、早速アクションを起こす。
<e-Taxをご利用になる場合の準備等>によれば以下のようになっている。
1. 利用環境の確認
→ これはまあしょうがないか。
2. 電子証明書の取得
<住民票のある市役所等の窓口で、住民基本台帳カードを入手し、「電子証明書発行申請書」などを提出して電子証明書(公的個人認証サービスに基づく電子証明書)の発行を受けてください(手数料が必要です。)。
詳しくは、住民票のある市役所等へお問い合わせください。>
→ 早速来たぞ。
前提は、「他人になりすまし」を防止するということだそうだが、問題は何故こんな厳重な本人確認が必要なのかということだ。
「還付申告」の場合には、詐欺が発生するかも知れないので、セキュリティもそれなりに考える必要もあるかも知れないが、こちらが税金を支払おうというのに、わざわざファーマータナカになりすまして、税金を払ってくれるという殊勝な人が居るのなら、なりすまして欲しいものだ。
可能性としては、個人的に恨みを持つものが、なりすましによって架空の売上を過大に計上し、例えばNTTのように連結法人税額が4000億円超のような電子申告をする事によって、ファーマータナカに嫌がらせをすることも否定できないが、わざわざそんな面倒で意味のないリスクを背負ってのなりすましの行為より、もっと簡単な意地悪はいくらでもできるだろう。
しかし最大の問題は、悪評名高い住基カードを取得しなければならないことだ。
具体的には、個人情報と引き換えに、住基カードを使えば
・ 居住地以外の自治体で住民票の写しが取得できるようになり、
・ またカード所持者は、引越し手続きを転居先の自治体だけで済むサービス「転入転出特例」が受けられるという、
一生で何度必要かもわからない決してメリットとはいえない二つのメリットの住基カードの取得が前提となっているのだ。

3. ICカードリーダライタの取得
<公的個人認証サービスに基づく電子証明書は、住民基本台帳カードに格納されていますので、別途、電子証明書に適合したICカードリーダライタが必要になります。
ICカードリーダライタは、家電量販店やインターネット販売で購入できます。
なお、住民基本台帳カードに格納された情報を読むための機械で、「接触型」、「非接触型」、「共用型」があり、住民基本台帳カードの種類によっては「接触型」が使えない場合があります。
詳しくは、「公的個人認証サービス対応ICカードリーダライタ普及促進協議会」をご覧いただくか、住民票のある市役所等へご確認ください。
(注) ICカードリーダライタの購入に当たっては、ご利用のパソコン(特にMacintosh)の環境に対応していない機種もありますので、事前にご確認ください。>
→ 例えばカードで買物をする時、カードの情報を読むリーダは通常当然そのお店のリーダだ。
それを購入しなさいということは、カードを持つ人はカードリーダも自前で準備して、いつも持参して自分で読み取らせなさいといっているようなものだ。
何かヘンだと思うのはファーマータナカだけ?

4.ICカードリーダライタのドライバのインストール
<取得したICカードリーダライタに付属のドライバをインストールしてください。
ICカードリーダライタによっては、ホームページからダウンロードできるものもあります。
詳しくは、「公的個人認証サービス対応ICカードリーダライタ普及促進協議会」をご覧いただくか、住民票のある市役所等へご確認ください。>
→ファーマータナカの場合、以前に購入したICカードリーダライタで試しにやってみると、何故か読み取らない。
市役所や知人に相談してみたが、パソコンとの相性もあるという。
アドバイスする方は相性と一言で済ませるが、当事者はたまったものではない。
その意味するところは結局、「原因はわかりません」ということなので、対処のしようがないからだ。
何度もドライバをアンインストールしては再びインストールし直し、USBの場所を変えたり、或いはパソコンを手当たり次第に変えてトライしてみるが、全く反応がない。
国税庁のQ&Aにも、ネット上にも、ICカードリーダが読まないという質問が山のようにあった。
個人的には住基カードの磁気の部分があやしいと踏んでいるのだが、市役所によれば「電子証明書」の発行の証明が出ているので、カードに問題はないハズだという。
結局新しくICカードリーダライタを購入することとする。
最寄の家電量販店に走るが、案の定在庫はなく、お取り寄せという。
ならばネットでとパソコンに向かうがここで又暗礁に乗り上げてしまう。
問題の一つは、何故か在庫切れが多いという事実だ。
確定申告の時期で、ファーマータナカのようなにわかチャレンジャーが多くて在庫切れなのか、反対に余りにも需要が少なすぎて、受注生産的なのか、真実が読み辛いところだ。お届けに2~3週間というのもザラで、そうなると申告期限に間に合わないではないか。
その上ネット通販の場合、どうしても1円でも安くという貧乏人根性が頭を擡げて、通販サイト・機種・本体価格・送料・納期・決済方法・代引き手数料等という諸条件の何万通りの組み合わせの中からベストのものを選び出すには最低でも3ヶ月位はかかりそうだ。
しかし今回は時間がおしている事情も踏まえ、妥協して発注を急ぐ事ととしたのだった。
運よく、amazon より予定より早く出荷できる旨のメールがあり、何とかICカードリーダライタの取得はできたのであった。
満を時して、住基カードをICカードリーダラータに挿入する。
ん・・・?
マニュアルによれば、緑色点灯(電源ON)から緑色点滅→点灯(接触ICカードが認識されている状態)と書いてあるが、現実は奈落の底に引きずり込まれたような緑色消灯。(USBポートに正しく接続されていないか、ICカードリーダライタ本体の故障が考えられる)
とある。
自宅に居ながら簡単楽ちん申告とは程遠く、住基カードに対する出先機関(上津江振興局)での対応も出来ないとのことで、片道40kmの市役所まで再び出向く事となる。
市役所では、何か右往左往した雰囲気は漂わせつつも、住基カードに電子証明を付与した機械では、ちゃんと(?)認識しているので、発行側に問題はない(=ファーマータナカのパソコンか、ICカードリーダライタか、頭かのいずれかが悪いという見解)という。
念のため、あわせて6000円近くしたICカードリーダラータ2台も持参していたので、それらを市のパソコンに接続して、動作を確認すれば、住基カードが悪いのか、ICカードリーダライタが悪いのか(2台とも悪いとすればよっぽど不運だ)、ファーマータナカのパソコンが悪いのか、ファーマータナカの頭がおかしいのか判るのではと提案するが、何故かそれはしてくれない。
クレジットカードのブラックなら、持っているだけでステータスになるだろうが、住基カードを持っているだけでは、それこそ屁のツッパリにもならない。
「カードの持つベネフィットを500円で手に入れたのであり、それが果たせないなら、電子証明がちゃんとできるカードの再発行をするべきでは」と問うと、
「新たな住基カードの発行料500円と電子証明の付与に500円かかります。」とのたまう。
おまけに、「再発行をしていいかどうかの権限を持つ上司が不在なので、明日以降もう一度きて下さい。」ですって。
こうして、誰でも簡単e-Taxによる電子申告納税への準備は、例えば、
「遥か山頂を望み、登山道まで行くバスの切符を、本当に自分のお金で買おうとしているのかを証明するための証明書を発行してもらうための手続き」のところで立ち往生し、これからの道程が過酷な棘の道と化していくのを彷彿とさせるものであった。
この稿その3へ続く。