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2011年09月03日
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カテゴリ:栽培

ファーマータナカのトマト栽培は、ハイポニカというプラントの、水平放任栽培という特殊な養液栽培だ。

その上、養液栽培では、高糖度栽培の場合、土耕栽培でいわゆる「水切り」と呼ばれる極力水分を与えない方法で糖度を高める手法がとれない。

そこで、肥料濃度(=EC※1)を極端に高くすることによって浸透圧ストレス(※2)を与え、結果的に水分の供給を抑えるのと同じ結果を作り出すのだ。

※1 EC(Electronic Conductivity)とは電気伝導率あるいは電気伝導度とよばれる水質指標で、水の中に様々な物質が入っている場合、水中のイオンが移動することで電気が流れ、その電気量を計測することで水の中に含まれる物質の量が分かり、農学、特に植物の栽培において電気伝導率は、土壌溶液または培養液中のイオン総量を示す指針としても扱われる。
単位はデシジーメンス毎メートル [dS/m] やミリジーメンス毎センチメートル [mS/cm] が多く用いられる。

※2 植物に水分を余り与えないで育てる事を、「水分ストレス」を与えるという。
一般にいわれているのは、水分ストレスを与えると、果実の中の水分が減って、糖が濃縮されるということだ。
果汁の中の糖濃度が高くなるため、当然甘くなるわけだ。
そのため、市場関係者では「濃縮トマト」とよばれたりする。
又、植物は環境の変化に応じて、自分の体を一定の状態に調節しようとする機能があり、 この機能を「ホメオスタシス」と呼んでいる。
水がなくなると植物は死んでしまうから、水を吸おうと努力する。
水を吸うには、細胞内に溶けている糖などの物質を増やし、細胞内の液の濃度を高くする必要があるのだ。
これが「浸透圧」(※3)の原理で、植物細胞が水を吸おうとする。
ホメオスタシスが働いて細胞内部の成分を変えているわけだ。
それで糖などが増えると考られている。
実際には浸透圧を高めるために糖を増やすだけでなく、糖の質も換えているという。
例えば同じ手法を用いるみかんではショ糖、ブドウ糖、果糖が主な糖だが、成熟するにしたがって果実の中には普通、ショ糖が蓄積されていく。
ところが水分ストレスを与えたみかんは、ブドウ糖や果糖が増えることが分かっている。
2つの糖の分子が結びついているショ糖が分解して、1つの糖分子でできているブドウ糖、果糖に変化するわけだ。
つまり糖含量は同じでも、2糖類が割れて単糖類になることで、糖の濃度が高まり、浸透性も高くなる仕組みが働いていることになる。
糖だけでなくプロリンというアミノ酸の一種が増えることも分かっている。
これも浸透圧を高めるのに役立っているようだという。
しかし、研究者によると、水分ストレスによって果実が甘くなるメカニズムについては、さまざまな要因が絡み合い、まだよく分からない部分も多いといわれる。
これまで挙げた理由以外にも、
1) 水分ストレスが葉や枝の伸長を抑えるため、糖などの光合成産物が果実に多く分配される。
2) 呼吸が抑えられ、光合成産物の消費が少なくなる。
などが考えられている。

前置きが長くなったが、上記の手法により、ファーマータナカのトマトは相当のストレスを受けて育てられていることになる。
又、1株に6000個程の実を付けるため、これも相当の負担がかかることになる。
このことは反面美味しいトマトづくりに寄与することにもなる。
何故なら、例えばみかん等でも小さい方がおいしい傾向があると言われるが、トマトも一般的には同じだ。
これも水分ストレスと同じ原理だと考えられる。
1本の木にたくさんの実が成ると実が大きくならない。
しかも多い果実が限られた水を奪い合うため、個々の果実が少しでも水を多く吸おうとして、同じ現象を引き起こすと推察される。

※3 ここで中学生レベル(?)の物理の浸透圧についても復習しておこう。
濃度の低い水(真水)と濃度の高い水(ここでは肥料をとかした養液)を半透膜で仕切った容器に入れると、濃度の低い水から濃度の高い方に移動が始まり、水位が変化する。
このように濃度の異なる2種類の水が、低い(薄い)方から高い(濃い)方に染み込む現象を浸透といい、染み込んでいく強さを浸透圧という。
2種類の水が、同じ濃度になろうとして移動することだ。

さらに、高濃度の養液栽培では、トマトの株元において、昼間は高温乾燥で、地際部の養液中の水分が蒸発して高濃度の肥料の結晶が付着し、夜間は反対に多湿で湿潤となり、
その繰り返しで株元が傷んでしまうのだ。

そこに、分析してもなかなか特定の菌は検出されないのだが、いわゆる灰色カビ病のボトリチスシネレア菌や、小粒菌核病の菌等が侵入してしまう。

株元に侵入する菌

ということで、以前はたくさんの仲間がハイポニカの水平放任栽培で高糖度トマトの栽培にチャレンジしてきたのだが、今では殆どの方がその栽培をあきらめ、いわゆる高糖度トマト栽培を続けている方は、たぶん数える程になってしまったのではないだろうか。

ファーマータナカのトマトも、上記の理由等で、栽培途中でこれからやっと美味しいトマトが穫れるという時に、バタバタと株が萎え、枯死し、立ち上がれない程のダメージを受けてきたのであった。

そんな中、とても頑張ってくれたトマトの木があったのだ。

巨木のトマトの株元

巨木のトマト

播種日は平成22年3月27日、種を蒔かれて何と18ヶ月(通常は1年持たすのが標準的だ)、おそらく9,000~10,000個位の実を付けてくれただろうと思われる。

本当にご苦労様でした。







Last updated  2011年09月04日 09時41分33秒
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