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ファーマータナカのデイリーリポート

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栽培

2020年11月19日
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カテゴリ:栽培
​​​​自家栽培のフェイジョアもらった。

多くの品種が自家不結実性で栽培に難点がある、レアで知られていない、食味がイマイチ等の理由で普及していないが、逆に混沌のこの時代、ポポーと並び小規模であるがブームになっているともいわれる。

フェイジョア (Feijoa )はフトモモ科の常緑低木で、別名「パイナップルグアバ」とも呼ばれるように、パイナップルとバナナの中間の様な芳香、洋ナシのような食感、追熟して食するが、酸味・甘味・渋味と従来のフルーツにはない味がする。
ウルグアイ・パラグアイ・ブラジル南部原産で果物として食用に栽培される他、庭木や生垣用としても評価が高い。

マイナーと言えば、ここで又昔話である。

以前栽培販売していたサラダ菜が、安い時の市場価格がたったの1円という話をしたが、新規就農して「できる事と売れることは別問題」という至極当たり前の現実に直面して随分辛酸を舐めた。
ロマンでなく生存のため、売れる野菜を探し求める、終わりのない旅に出たのである。

今となっては、メジャーとマイナーの狭間で、支離滅裂な種類の野菜の栽培販売にチャレンジしたあの頃が懐かしい。
最終的には一応高糖度トマトに行きついたわけだが、試作研究したものの一部を記しておく。

①メジャー部門:小ねぎ・ミツバ・青梗菜・ラディッシュ・人参(ミニ)・クレソン
②中間部門:わさび・モロヘイヤ・ベビーリーフ・サラダほうれん草・ハーブ各種・セリ・わさび菜・からし菜
③マイナー部門:アマランサス・アイスプラント・スイスチャード・タラの芽
(個々の種類品種についての情報やエピソードについては、別稿に譲りたい)






​​​​​​​​






Last updated  2020年11月19日 07時39分07秒
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2019年01月07日
カテゴリ:栽培
ファーマータナカの久々新農業講座、お題は「春の七草」。
 
この歳になると、刺激的な出会いはもとより、グルメ予定行事等リア充は皆目無く、昔日を懐かしむか、今日は何の日って思う位しか話題がない。
 
で、1月7日は五節句の一つ人日(じんじつ)、七草の節句だ。
 
「せりなずな・ ごぎょうはこべら・ほとけのざ・すずなすずしろ・春の七草」と、575のリズムで覚えた(覚えさせられた?)記憶が残っているが、今の子供はどうなんだろう。

個々の内容まではあいにく詳しく把握してないが、すずなは蕪(かぶ)すずしろは大根あたりは押さえておいて損はないだろう。
当たり前のようにスーパーに七草(粥)セットが並んでいるが、ファーマータナカが移住していた大分県だと、天ヶ瀬あたりが産地だったと思う。
 
当然だが、タイミングぴったりに自然に七草が生えてきて、自動的にパックになるわけではない。

季節商品なので、例えばクリスマスの苺のように、その時期に合わせて播種・加温・収穫等のタイムスケジュールが組んであるし、七草の場合当然年末年始の休みは返上で、百姓は出荷調製作業をする。

一般的野菜は、基本旬というものがあるが、現実市場では産地間リレーが確立されているし、品種改良も進んでいて、消費者は一年を通して苦労なく野菜を購入できる。
 
それでも農業は自然と生き物を相手にしているので、端境期や天候不良がつきもの、そこで個人的にはない頭を使って1年中作ってボロ儲けできないかとの、下衆の極み的発想で通年栽培にチャレンジしたが、身の程知らずとはこのこと、自然や神に立ち向かおうとすると、こっぴどい返り討ちに会うという教訓を得ることができたのであった。










Last updated  2019年01月07日 09時17分12秒
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2014年05月28日
カテゴリ:栽培
爆発だ。
芸術の話ではない。農業は爆発だ。
ファーマータナカはファーマータロウ・オカモトと改名しなくてはならない。

5月2日のトマトの収穫個数は、3,708個、重量は、224,330gであった。
(忙しいくせに、よく数えたり、計ったりする暇があるもんだ。)
去年の平均からすると、実に、4倍くらいの量になる。
以前にも、このコラムで書いたことがあるが、作物の開花や結実や収獲の時期は、最終的には作物自身が牛耳っており、百姓は聾桟敷におかれている。
爆発されたら、為す術はない。全てを受け入れるしかないのである。
(小生はこのことを駄犬「ひめ」から学んだ。忙しくて食事を与え忘れたことを夜中に気づいても、まるで哲学者の風貌で、文句ひとつ言わないではないか。)
もちろん小生も朝食は抜き。(実は、いつも食べさせてもらってません。)
お昼は、パートさんが休憩用にいつも持ってきてくれるおにぎりや、お惣菜や、お漬物や、バナナや餅や饅頭等(これらは実に絢爛豪華、満漢全席)を主食に、ジャンクフードをおかずにと慌ただしい食事となる。
実のところ、うちの職場は、パートさんに福利厚生してもらっている、不思議な職場なのだ。

1日は24時間という不文律があるから、どうにも間に合わないのである。
農協への出荷は午後3時までとなっており、こっぴどく叱られる。
直売所への配送を委託してあるトラック便の集配時間にも間に合わない。
ニューファーマーズファクトリー王国の王妃のイライラもピークに達する。
ニューファーマーズファクトリー王国のマーフィーの法則「全ての悪しき結果は、ファーマータナカの存在自体に起因する。」により、冷たい視線と態度、罵詈雑言の雨嵐は当然私のみに集中砲火となる。
(本当はよくやってくれてます。話をおもしろくするためにだけ書いているので、ハイ王妃。)

おまけに、決定的なのは、市場原理というやつである。

「神の見えざる手」によって、ファーマータナカの販売価格は、「自然」なレベルどころか、超「自然」なレベルにまで下落するのはどういうわけだ。
「労動が疎外」されていないのに、「剰余価値」が生まれないのはどういうわけだ。
「総需要が供給を決定」しないで、「供給」だけが一人歩きするのはどういうわけだ。
そもそも、出荷量と価格は反比例するとは、どこのどいつが決めたんだ。
アダム・スミス出て来い!マルクス出て来い!ケインズ出て来い!(経済音痴ですいません。)

F市場の市況は、2分の1となってしまった。(4分の1にならなかっただけまだかろうじて神は存在するのか?)
箱などの資材はもとより、出荷調製作業にかかわる人件費(自家労賃含む)等の経費は、当然4倍かかるのである。

こうして今年もコールデン・ウィークとやらは、極度の疲労困憊と小生への謂(いわ)れのない憎悪を内包しつつ、暗雲立ち込めるブラック・ウィークとして、情け容赦なく過ぎていくのである。
(ファーマータナカの四方山コラム 2002/05/05)

爆発






Last updated  2014年05月29日 03時32分53秒
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2014年02月03日
カテゴリ:栽培

「山奥のど田舎でおまえは一体何をやっているんだ、そのうち遊びに行くから、いつが休みなの?」と時々超数少ないポン友からメールが入る。「通年栽培だからまとまった休みはない。」というと、「何それ?」というこで、今日は通年栽培について。

< 初心者のための新百姓講座 > その3  通年栽培

昨今は旬がなくなったと言われる。
施設栽培(ビニールハウス等)が盛んになり、1年を通じて野菜が作れるようになったためである。
それでも普通は、露地栽培(普通に土で作ること)よりも少し早い時期から、少し遅い時期までというように、栽培期間が延びはするが、1年中栽培するわけではない。
それでも1年中同じ野菜を食することができるのは、ほとんどすべての野菜について、産地間での見事な補完システムができあがっているからなのである。
たとえばレタスで言うと、5月から10月は、長野産で、11月から4月は福岡産といった具合に。
それはともかく、通年栽培とは、文字通り、1年を通じて、栽培するやり方なのだ。
作物によって違うが、季節に関係なくいつも種を播き、移植や定植をして、収穫する。
そのためには、温度や湿度などの作物が生育できる栽培環境を人工的に作り出さねばならない。
環境への負荷を少なくだとか、自然な農法が注目される現代、冬は、重油を湯水のように消費し、夏は、ファンを回し、水を冷却し、細霧を発生させるなど、田舎にいながら、お天道様任せの野良仕事とは似ても似つかない農業である。

こんな事に果たして意味があるのかと、自問自答する孤高の哲学者、キケロ・タナカではあるが、話がながくなるので、この問題は又の機会にゆずることにする。
(ファーマータナカの四方山コラム 2002.01.08)

サラダ菜の通年栽培

(新規就農しての最初のチャレンジは水耕サラダ菜の通年栽培であった)

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Last updated  2014年02月03日 15時54分52秒
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2013年06月28日
カテゴリ:栽培
「奇跡のリンゴ」がいよいよ公開され、話題になっている。
この映画は、日本最大のリンゴ生産地・青森を舞台に、それまで絶対に不可能だといわれていたリンゴの無農薬栽培に挑戦した木村秋則氏の実話を映画化。
阿部サダヲが木村さんに、菅野美穂が、農薬に体を蝕まれながら木村さんと共に無農薬栽培に挑む妻・美栄子を演じる。
私財を投げ打ち、11年もの歳月をかけて信念を貫くひとりの男の姿が胸を打つ物語という。

感動物語として、それはそれでいいのであるが、この映画に端を発して、又さまざまな議論も湧き起っているようである。
ここでは、農業を営んできたものとして、その基本となる部分について少し押さえていけたらと思う次第である。

奇跡のリンゴとは、無肥料無農薬で育てたリンゴだそうだ。
それは従来、「絶対不可能」といわれていた。
まずは、この「無肥料栽培」というものからみていこう。

無肥料栽培とは、化学肥料・農薬はもちろんのこと、有機肥料(畜産堆肥、米ぬか、油粕、魚粕を含む自然堆肥)を一切使用せず、土壌と作物そのものがもつ本来の偉力を発揮させることで作物を栽培する農法のことをいう。

しかし、作物は何を栄養にして育っているのであろうか。
例えば、窒素固定菌等が、無施肥条件で増殖率が高くなる傾向にあるといい、人が肥料を入れ続けるのに代わって自然界の微生物が養分供給の助けをしはじめるといい、植物には、不足する養分を自ら作り出す能力が秘められているともいい、さらに元素転換がおきているのかもしれないとまでいう生産者もいるようだ。
全般的には、植物が本来持っている力を無肥料で引き出すといった抽象的表現が多いようだ。

「奇跡のリンゴ」でも、山の中のどんぐりの木が、無肥料で毎年実をつけるのを見て、無肥料栽培に目覚めたというくだりがある。
それが成り立つのは、自然は循環しているからだ。
循環が成り立っていれば、(雑草や枯葉が腐葉土となり、土に返って循環を形成する)肥料などはいらないことになる。
しかし、農業として、野菜や果実などを人間がその土地から継続的に持ち出した場合には、その時点で、循環の輪が途切れてしまうことになる。
その分は人間の力で補充してやらないと、次第に有効成分が少なくなくなると考えるのが妥当と思われる。
収穫というのは、この循環の輪を壊すということであり、農業とは、有機無機にかかわらず、持ち出した分をその土地に返す行為といえるだろう。

ということで、一般的には「無肥料栽培」というものは、継続的にそれなりの収量と品質を保持しながら農産物を生産していくには?マークがつかざるをえないのではないだろうか。
(以下続く)

奇跡のリンゴ(映画)

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Last updated  2013年07月03日 04時42分11秒
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2011年09月03日
カテゴリ:栽培

ファーマータナカのトマト栽培は、ハイポニカというプラントの、水平放任栽培という特殊な養液栽培だ。

その上、養液栽培では、高糖度栽培の場合、土耕栽培でいわゆる「水切り」と呼ばれる極力水分を与えない方法で糖度を高める手法がとれない。

そこで、肥料濃度(=EC※1)を極端に高くすることによって浸透圧ストレス(※2)を与え、結果的に水分の供給を抑えるのと同じ結果を作り出すのだ。

※1 EC(Electronic Conductivity)とは電気伝導率あるいは電気伝導度とよばれる水質指標で、水の中に様々な物質が入っている場合、水中のイオンが移動することで電気が流れ、その電気量を計測することで水の中に含まれる物質の量が分かり、農学、特に植物の栽培において電気伝導率は、土壌溶液または培養液中のイオン総量を示す指針としても扱われる。
単位はデシジーメンス毎メートル [dS/m] やミリジーメンス毎センチメートル [mS/cm] が多く用いられる。

※2 植物に水分を余り与えないで育てる事を、「水分ストレス」を与えるという。
一般にいわれているのは、水分ストレスを与えると、果実の中の水分が減って、糖が濃縮されるということだ。
果汁の中の糖濃度が高くなるため、当然甘くなるわけだ。
そのため、市場関係者では「濃縮トマト」とよばれたりする。
又、植物は環境の変化に応じて、自分の体を一定の状態に調節しようとする機能があり、 この機能を「ホメオスタシス」と呼んでいる。
水がなくなると植物は死んでしまうから、水を吸おうと努力する。
水を吸うには、細胞内に溶けている糖などの物質を増やし、細胞内の液の濃度を高くする必要があるのだ。
これが「浸透圧」(※3)の原理で、植物細胞が水を吸おうとする。
ホメオスタシスが働いて細胞内部の成分を変えているわけだ。
それで糖などが増えると考られている。
実際には浸透圧を高めるために糖を増やすだけでなく、糖の質も換えているという。
例えば同じ手法を用いるみかんではショ糖、ブドウ糖、果糖が主な糖だが、成熟するにしたがって果実の中には普通、ショ糖が蓄積されていく。
ところが水分ストレスを与えたみかんは、ブドウ糖や果糖が増えることが分かっている。
2つの糖の分子が結びついているショ糖が分解して、1つの糖分子でできているブドウ糖、果糖に変化するわけだ。
つまり糖含量は同じでも、2糖類が割れて単糖類になることで、糖の濃度が高まり、浸透性も高くなる仕組みが働いていることになる。
糖だけでなくプロリンというアミノ酸の一種が増えることも分かっている。
これも浸透圧を高めるのに役立っているようだという。
しかし、研究者によると、水分ストレスによって果実が甘くなるメカニズムについては、さまざまな要因が絡み合い、まだよく分からない部分も多いといわれる。
これまで挙げた理由以外にも、
1) 水分ストレスが葉や枝の伸長を抑えるため、糖などの光合成産物が果実に多く分配される。
2) 呼吸が抑えられ、光合成産物の消費が少なくなる。
などが考えられている。

前置きが長くなったが、上記の手法により、ファーマータナカのトマトは相当のストレスを受けて育てられていることになる。
又、1株に6000個程の実を付けるため、これも相当の負担がかかることになる。
このことは反面美味しいトマトづくりに寄与することにもなる。
何故なら、例えばみかん等でも小さい方がおいしい傾向があると言われるが、トマトも一般的には同じだ。
これも水分ストレスと同じ原理だと考えられる。
1本の木にたくさんの実が成ると実が大きくならない。
しかも多い果実が限られた水を奪い合うため、個々の果実が少しでも水を多く吸おうとして、同じ現象を引き起こすと推察される。

※3 ここで中学生レベル(?)の物理の浸透圧についても復習しておこう。
濃度の低い水(真水)と濃度の高い水(ここでは肥料をとかした養液)を半透膜で仕切った容器に入れると、濃度の低い水から濃度の高い方に移動が始まり、水位が変化する。
このように濃度の異なる2種類の水が、低い(薄い)方から高い(濃い)方に染み込む現象を浸透といい、染み込んでいく強さを浸透圧という。
2種類の水が、同じ濃度になろうとして移動することだ。

さらに、高濃度の養液栽培では、トマトの株元において、昼間は高温乾燥で、地際部の養液中の水分が蒸発して高濃度の肥料の結晶が付着し、夜間は反対に多湿で湿潤となり、
その繰り返しで株元が傷んでしまうのだ。

そこに、分析してもなかなか特定の菌は検出されないのだが、いわゆる灰色カビ病のボトリチスシネレア菌や、小粒菌核病の菌等が侵入してしまう。

株元に侵入する菌

ということで、以前はたくさんの仲間がハイポニカの水平放任栽培で高糖度トマトの栽培にチャレンジしてきたのだが、今では殆どの方がその栽培をあきらめ、いわゆる高糖度トマト栽培を続けている方は、たぶん数える程になってしまったのではないだろうか。

ファーマータナカのトマトも、上記の理由等で、栽培途中でこれからやっと美味しいトマトが穫れるという時に、バタバタと株が萎え、枯死し、立ち上がれない程のダメージを受けてきたのであった。

そんな中、とても頑張ってくれたトマトの木があったのだ。

巨木のトマトの株元

巨木のトマト

播種日は平成22年3月27日、種を蒔かれて何と18ヶ月(通常は1年持たすのが標準的だ)、おそらく9,000~10,000個位の実を付けてくれただろうと思われる。

本当にご苦労様でした。







Last updated  2011年09月04日 09時41分33秒
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2011年05月28日
カテゴリ:栽培

トマト等の果菜類は、サラダ菜等の葉菜類に対して、一般的に栽培が難しいとされる。

その理由は、果菜類が、いわゆる栄養成長(種子植物が発芽後葉や茎などの栄養器官だけを分化形成すること)と生殖成長(生殖器官を分化・形成し、開花結実するまでの一連の過程のこと)を早い時期から同時に行うので、そのバランスが上手く取れないと、良質な果実がとれなくなるからだ。

一方葉菜類は、栄養成長の段階で収穫してしまうので、その点が異なるというわけだ。
ただし、例えば、レタス類だと高温長日下で花芽分化が促進されるので、いわゆるとう立ち(抽台という)が発生して困ることもあるが。

ファーマータナカのトマト栽培においては、恐ろしいウイルス病である黄化葉巻病の発生の危険が常に存在するため、選べる品種がほとんどない(良質な耐病性種子が開発されていない)ことや、冬季の暖房のための重油価格の高騰持続で、適正な夜温の確保ができにくくなっているため、トマトの品質確保が難しくなってきているという現実がある。

ハートなトマト

さて、迸(ほとばし)るスタッフからのラブコールか、はたまた会長(愚妻)からの「惚れなおしたよ。」の熱烈サインと言うのは解らないではないが、見た目には、如何にもハッピーで微笑ましいと思われるだろう、いわゆるこれら乱形果(変形果)の多発は、現実には秀品率の低下により、経営に多大の悪影響をもたらすのだ。 

乱形果の果形は千変万化で一定の形には現われず、果頂部の裂開するもの、溝の極端に深いもの、すじが入るもの、ネーブル型、多心型、指出型、楕円型などさまざまである。果実の形の乱れを総称して乱形果としている。

実はこの乱形果は果実の小さいときから現われていることが認められる。
さらに花芽の発育中にすでに乱形の兆候を示し、開花時にははっきりと認められるのが特徴で、花芽分化期ごろに原因があるというのだ。
乱形果の発生は、育苗期の低温、床上の多肥、多湿などによる草勢の旺盛なトマトに多く、低温期の栽培に多いのが特徴であるとされる。 

ここで果形と子室数の関係を見ると、正常果の子室数は4~8で少ないが、乱形果では明らかに多いことが示されている。
つまり子室数の多い果実はど乱形果になる可能性が高いことがうかがわれる。

乱形果

苗の栄養状態が良好なばあいに花芽の発育が助長され、花の各器官の分化発育が旺盛となる。
そして子房が大きく、子室数が増大するが、これら多子室の子房から発育した果実は各子室の発育が不均衡になりやすい。
そのために乱形果として発達することが多いものとみられるそうだ。

まとめると乱形果は、花芽分化期ころに原因があり、その発生条件は低温、多肥、多灌水などによって生長点における栄養状態が濃厚となり、そのため分化、発育中の花芽に過剰の養分が供給され、花芽は栄養過多となって細胞分裂が旺盛となり、心皮の生成数が多くなる。
これら多心皮の花では、開花後果実として発育するときに各子室の発育が不均衡になり、乱形果として発達するというわけだ。

この他にも、軟化をはじめとして、裂果、そしていよいよ尻腐れ果多発の時期となる。
美味しいトマト作りは、毎年困難を極めたチャレンジの連続であることをご理解いただきたい。

参考文献:農業技術体系(農文協) 他







Last updated  2011年05月29日 09時04分05秒
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2010年09月17日
カテゴリ:栽培

あれは今から20年前のこと、平成2年(1990年)山形県鶴岡市善宝寺の貝喰池(かいばみのいけ)で発見され、一躍有名になった、人面魚というのがあった。

人面魚

ネット上では人面野菜なるしろものも、あちこちで見ることが出来るが、ファーマータナカのトマトにも出現したので、紹介しておこう。

人面トマト

いかにも哲学的表情だ。
きりっとした中に、崇高な魂の叫びが聴こえてくる。

ファーマータナカの農業に対する並々ならぬ決意の無言の代弁者なのか。
あるいは、日本農業の将来を憂えているのか。
解釈は読者の皆さんにおまかせしよう。

余談だが、トマトの中心から放射状にスジが入っているのが見えるが、プロの間ではこれを「筋入り」といい、美味しいトマトの証とされている。
ファーマータナカのトマトはいずれにしても美味しいのであった。







Last updated  2010年09月18日 06時51分06秒
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2010年07月31日
カテゴリ:栽培

7月某日のトマトの収穫量は257kg、そのうち裂果は96kgであった。
実に37.35%、収穫量の4割近くだ。
裂果とは読んで字の如く、トマトが裂けること、すなわち、収穫期近くになり,果実表面が果実内部の圧力に耐えきれず,はじき割れることである。

裂果の山

トマト作りは何年たっても、なかなか極めるには程遠い。
又、何とか収穫まで辿り着けたとしても、全てが商品になる事など有り得ないのだ。
(他の農産物でも同様だろうが、概ね葉菜よりも果菜の方が、栽培技術がより要求される)
障害果と呼ばれるものだけでも、乱形果、空洞果、すじ腐れ果、尻腐れ果、頂裂果、裂果、網果、日焼け果、軟果、ヘタ枯れ果、ゴーストスポット等々があり、まともな出荷をこれでもかこれでもかと妨害するのだ。
各々の原因や対策については又機会があれば後述したいと思うが。

その中でも裂果の発生はトマト農家において、悩みの種の最たるものだ。
まず、規格が厳密に定められているいわゆる市場出荷ができない。
A品(秀品)率の極端な低下は、平均販売単価の大幅な下落を意味する。
今はやりの産直(直売所)に出せばいいと思われるかもしれないが、裂果によって、トマト果汁が漏れ出し、これにすぐ子蝿が集(たか)り、いかにも不衛生であり、当然見た目も悪く、売れるどころかクレームの対象だ。
近所にお裾分け、あるいは加工といっても、ソースやジュースにする手間や設備が必要で、半端な量ではない上に、これだけの量が出るという事は当然収量も多くて、収穫出荷調製に多忙を極めており、ファーマータナカも就農当時は泣く泣く廃棄していたものだ。
(トマトジュース加工場を作ってからは、それはそれで又大変なのだが、他のトマト農家さんよりは、悩みや心労は軽減された。)
要するに裂果の多発は、可販果収量の低下と選別作業に多大な労力を要するという事だ。

裂果には、がくを中心に同心円状に裂果する同心円裂果、がくから放射状に裂ける放射状裂果、側面裂果や裂皮などがある。

裂果

裂果発生の原因をみていこう。
いずれの裂果も、果皮の表皮の弾力性がないのに内部からの膨圧が強いと、それに耐えきれずに裂けるのである。
裂果は一般的に、未熟果では起こらず、着色期近くになると発生する。

まず、最大のポイントは水分との関係だとされる。
すなわち、露地栽培の場合は雨がトマトに当ると割れやすくなり、降雨や潅(かん)水により急激に根から水を吸うと、果実肥大が進むため割れやすくなるとされる。
(果実が結露しても割れやすくなる。)
通常根から吸収された水分は葉から蒸散されるが、その量が少なく蒸散されなかった水分が 果実に流れ込むため、果実が膨張し裂果するというわけだ。

因みに「蒸散」とは、植物体内の水分が、水蒸気となって空気中に放散する作用をいい、葉の裏に多い気孔からおもに行われる。
根から水を吸い上げ、葉温を低下させる役割があるが、その蒸散量を決める外部要因には、気温・ 湿度・ 太陽光の光強度(吸収放射量)・水蒸気の拡散速度(風による撹乱)・ 土壌の水分含量等があり、問題を複雑にしている。
ある報告によれば、施設内で栽培されたトマトの吸水量の95%以上が蒸散に使用されていたといい、又晴天日の水分蒸散量は約1?/株であるという。

次に湿度(と気温)との関係だ。
水分を蒸散させるために、トマトは葉の表皮に気孔という小さな穴を備えており、この気孔は気温と湿度により開閉する。
例えば気温25℃で湿度40%では気孔は55%開き、湿度80%ではほぼ全開となる。
しかし、湿度100%では気孔内の湿度も100%なので水蒸気圧の差が無くなり蒸散が行われなくなるのだ。
梅雨の時期の裂果多発は、この湿度との関係が大きいと思われる。

しかし湿度が低ければいいというものでもない。
高温乾燥や強日射により、果皮が硬くなってしまうからだ。
(なお低温でも果皮は硬くなるというからますますやっかいだ)
果皮が硬くなっているところへの水分の流入は当然裂果を招いてしまう。

又カルシウムやホウ素が不足すると裂果が増えるとされる。
しかしこれも施用すればよいというものではなく、施肥バランスが崩れたり、根が弱ったりしても微量要素不足がおきてしまうのだ。
ホウ素は他の要素と違って、植物体内の古い組織に存在するものが新しい成長点に向かって養分移動することはない。
又 ホウ素が欠乏すると、根における石灰の吸収が不十分となり、その成長が著しく阻害される。
又ホウ素は水分代謝と密接な関係がある。
ホウ素が欠乏すると、葉の中に存在する炭水化物の含有量が増加し植物内の浸透圧は上昇する。
そのため、植物体の水分の保蔵力は増大して葉面からの蒸散量は減少する。
以上のようなメカニズムで、ホウ素不足が裂果を招くとされている。

それから裂果しやすい、品種というものもある。
トマト農家はやっかいな黄化葉巻病という新しい病害に悩まされており、日本でもここ数年やっとそのウイルスに耐病性のある品種が発売されたのであるが、その中の「大安吉日」という品種を栽培しているが、聞いてはいたが、この時期この品種の裂果率は驚くべき事に当ハウスではおそらく60~70%以上だ。
やっとすがった耐病製品種は、病気は発現しないが、割れて商品にならないのである。

以上のような裂果発生原因に対して、対策としては、
・ 多潅水を避ける。
・ 日焼け防止のため、果実を日に当てない工夫(遮光・葉で隠す・葉かきを抑える・小さい葉にしない)をする。
・ 赤くなる前は裂果が少ないので、完熟以前の青いうちに収穫する。
・ 割れない品種選定をする。
・ 高温低温、高湿度低湿度にしない。
等であるが、現実には一長一短だったり、あちらを立てればこちらが立たずといった按配で、これといった決定打はなく、やはり大部分は自然の摂理を受け入れるしかないのが現状だといってよいと思う。

ファーマータナカをはじめとする農業者が、何度も何度も叩かれながら、市場そして消費者の方々に農産物をお届けしている一端を知っていただければ幸いである。







Last updated  2010年08月01日 08時45分49秒
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2010年01月22日
カテゴリ:栽培
植物工場の課題について、前回途中になっていたのでまとまておく。
前回人工光の問題、コスト(設備及びエネルギー)の問題を取り上げた。

次に問題となるのは、効率の問題だ。
工場というからには、生産効率や作業効率の追求が当然必要となる。
確かに例えば年に10回以上収穫できるのは効率はよいが、植物の生育スピードは最速でも20日間かかるといわれるので限界があり、高コストを吸収できるほどの生産効率を上げられないのが現実だ。
又作業効率についても、機械化自動化の前に、植物を動かせないという大前提があるのが最大のネックだ。
例えばトマトで、上下の段を入れ替える等はあるが、生産物は原則固定で、機械や労働側が動かなければならないというのは、自ずと作業効率の限界を示している。

デフレで既存の農家が息絶え絶えの時に、農水省だけでなく、経産省までもが、そしてマスコミが植物工場とその未来のバラ色を声高にとなえるのは何故と勘ぐるのはファーマータナカだけであろうか。
流行の事業仕分けでの攻防ではないが、先端技術への投資や研究を否定するものではない。
しかし、そこに省益や財官の問題がないとは言い切れないのではないだろうか。
大企業や、教育関係や、テーマパーク等に、莫大な補助金を出して、植物工場を設置しデモンストレーションして人類の偉大さと未来を称えるより、明日の生産への意欲を叩き潰されつつあるファーマータナカをはじめとする現業農家への現実的支援を少しは考慮されてもいいのではないだろうか。
(方向が我田引水、利益誘導パターンになってきたのでこの位にした方がよさそうだ)

経済産業省が設置した植物工場のイメージ図


最後に販売上の課題だが、
「無農薬で安全(硝酸態窒素の問題も当然付きまとう)だから、高くても植物工場で生産された野菜を買ってくれるだろう。」というのは、幻想に過ぎない。
当ブログの植物工場(その1・・・消費者意識)でも書いたが、消費者は、植物工場で生産された野菜について、「おいしさ」や「栄養価」の面では普通の野菜より劣るとみており、約6割の消費者は、植物工場で栽培された野菜が通常の野菜よりも安くなければ購入しないとしている。

ということで、植物工場に対する別の見方も読者の頭の片隅に入れておいていただければ幸いである。






Last updated  2010年01月23日 18時07分38秒
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