2011年06月12日

放射能と食と農

カテゴリ:農業全般

福島原発事故から3ヶ月、このブログで、震災や原発や放射能について、一度も触れてこなかった。

無論、無関心であったわけではなく、被災者の方々の無念と絶望感を思うと、事故発生とその被害の理不尽さには深い悲しみと怒りを覚えていることは論を待たない。

もとより反原発と言えるような確固たる思想も信条も知識も情報も能力もないのだが、国家や大企業や高級官僚や特権階級が、縦横無尽に張り巡らせた言わば鉄の構造に、今頃になってやっと気づく程度の鈍感さであるのも事実だ。

しかし農業を営む者として、米や野菜等を生産する農家をはじめとして、酪農家等農業者、又漁業者の実態を見るにつけ、現に自分自身が弱者であることは紛れもなく、従って常日頃その弱者側の立場でものを考える性癖(そのことが正しいかは別問題として)が染みついているファーマータナカは、例によって事故発生当時から、マスコミ、行政、東電、学者の流す情報とその対応について、常に懐疑的で胡散臭いものを感じていたのもこれまた事実だ。

今でこそ超脚光を浴びることとなった、

小出 裕章(こいで ひろあき)氏(京都大学原子炉実験所助教、1949年東京都生まれ。72年東北大学工学部原子核工学科卒業。74年東北大学大学院工学研究科原子核工学修了。74年から現職。伊方原発訴訟住民側証人。著書に『放射能汚染の現実を超えて』、『隠される原子力 核の真実』、共著に『原子力と共存できるか』など。)や、

作家の広瀬隆(ひろせたかし)氏(1943年東京都生まれ。66年早稲田大学理工学部卒業。メーカーの技術者を経て、執筆活動へ。スリーマイル島原子力発電所事故を機に、81年『原子力発電とはなにか そのわかりやすい説明』、同年『東京に原発を!』を出版。その他の著書に『危険な話』、『柩の列島』、『原子炉時限爆弾』など。)

等の発信される情報や手持ちの本等と見比べながら、一市民として、少しでも事実と正確なデータ・情報を知ろうとし、その姿勢は今も続いている。

挙げればきりがないが、例えば、

1. ドイツ気象局やノルウェー気象庁は、日本の気象庁などの観測データに基づいて同原発から出た放射性物質の拡散予測を事故当時から連日行っていたにもかかわらず、日本政府府は公開しなかったこと(北西方向の飯館村等の汚染予測はすぐになされていたし、南西方向の東京にも流れている)。

2. 従来、日本の気象庁が発表してきたマグニチュードは「気象庁マグニチュード(Mj)」であり、近年、世界的に採用するようになった「モーメントマグニチュード(Mw)」とは算出方法が違うのだが、超巨大地震では気象庁マグニチュードのほうが小さめの数字が出るので(特に巨大地震の場合)、今回のような超巨大地震の場合はモーメントマグニチュードのほうが正確に表せるということになってはいるが、その説明をせず、気象庁は突然、今回の地震の後、従来の気象庁マグニチュードからモーメントマグニチュードに変更してM9.0と発表し直したこと。

3. 両氏は最初からメルトダウンの可能性を指摘していにもかかわらず、そのような報道がほとんどなかったこと。

4. 事故におけるINES(国際原子力・放射線事象評価尺度)評価について、 ずっとスリーマイル島原発事故と同じレベル5と言い続けたものの、いきなり2段階上げてレベル7としたこと。

5. 放射線の被害には、被曝後数週間以内に症状が表れる「急性障害」と、数ヶ月あるいは数十年先に表れる「晩発性障害」があるとされるが、事故発生当初は「急性障害」が強調され、「直ちに人体には影響がない・・ ・」が連呼されたこと。

6. 同じく、「外部被爆」を強調し、両氏の言う「内部被爆」を当初ほとんど言わなかったこと。

7. 原発なくても日本の電力は火力を主力とした手段で十分まかなえるのに、計画停電をはじめとして、原発がなくなると電力不足が決定的であるような報道を続けたこと。

放射能拡散予測図 3/15

メディアは、つい最近まで御用学者のオンパレード、テレビを主たる情報源とする一般庶民は、「安全」と、「直ちに健康に影響はない」の連呼に「そうなんだ」と思っても不思議ではない状況であった。

収束の長期化がほぼ決定的となったわけだが、これから「放射能と食と農」についていやがおうでも直面していかねばならない事態となったのだ。

ファーマータナカとしては、例によってマスメディアが伝えない、レア(コアかは?)な情報を少しでも拾い上げてお伝えできればと思う。






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Last updated  2011年06月15日 06時42分27秒
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