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カテゴリ:WRC
第3話 思ってたよりもかなり長めのコラムになってまいりました。あまり読むのが好きじゃない方には拷問でしょうね・・・今回あたりで終わりにできると良いのですが・・・ 前回までで近年のハイテクWRカーの傾向はお伝えすることができたと思います。要点はラリー・マシンとは言えエアロダイナミクスにデリケートな一面を見せる空力マシンであるということです。こういった一面のへの技術革新がもたらしたメリットはまずマシンそのもののルックスが進化していることです。 例えばGD型のIMPREZAがデヴューしてから現行のG型のリリースまでフロント・マスクは何回変更になったでしょうか?しかもただのマイナー・チェンジではありません。空力的な見直しをした上での変更ですから少しずつフロント前短が絞り込まれていったのは、エアロダイナミクスを追究し始めたことと無縁ではないでしょう。 また、IMPREZA WRC 05のパッケージングからはWRカーと市販車のデザイン・リンクをイギリスと日本で行ったことがメディアなどで発表されていますが真相は違うと思います。エアロダイナミクスまで手がけ始めると極端な場合、ベースとなっているクルマが識別できないぐらいになってしまうことがあります。例を挙げればSuper GTなどのマシンがそうです。WRCのラリー・カーなのであそこまで空力をいじることは考えられませんが、空力処理を施し「市販車とかけ離れたデザイン」になってしまうことをスバル側が防いだと考えるのが妥当な判断ではないでしょうか。 このほかマシンのあらゆる点に改良や変更が加えられていますが、やはりここ何年かで確実に向上されたのはエアロダイナミクスでしょう。この点に関して言えば刷新と言っても過言ではないでしょう。 これを一番痛感するのはジャンピング・スポットでマシンが飛んで着地した直後のコーナーへの進入速度とラインで、その差は歴然としていて少なくとも3、4年前と現在とは全く別物です。05までのIMPREZAはとても安定感がありましたが今年の06モデルを見ていると「致命的な欠点」を抱えているような気がします。欠点というよりも、やもすれば「致命的な欠陥」かもしれません。 ペターが勝てません。とにかく勝てないのです。グリップでピン・ホールを通すような鋭いペターの走りが今季は見られないばかりか、最高リザルトはメキシコとアルゼンチンの2位が最高で、ペターの表情はいずれも喜びとはかけ離れた印象を与えました。 タイト・コーナーへの進入初期はアンダーでノーズの入らないIMPREZAのステアをこじり、コーナー中盤では唐突なオーバー・ステアが発生し、ペターらしからぬリヴァース・ステアの修正舵に四苦八苦というようにまるで精彩がありません。 これらは撤退が噂されているピレリ・タイアのパフォーマンス不足だけではなく、IMPREZA WRC2006そのもが抱えている気難しさの一端です。次回はIMPREZAが勝利するために必要なパフォーマンスと要素を検証したいと思います。 やっぱりまだ続くのかよ・・・と思っている方申し訳ありません。でも、この過程を終えたころにはあなたも立派なスバル・フリーク、そしてWRC事情通になれます。(なれると思います)
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Last updated
June 26, 2006 11:58:33 PM
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