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November 15, 2009
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カテゴリ:Super GT
前回までで誤解を招いているかもしれませんがNISMOが自分たちのレースをできなくなったのはタイア戦略だけではありません。
引き金になったのはむしろオープニングラップの1コーナーで#8があっさりとラップリーダーの座を#36に譲ったことでしょう。
「譲った?」と思っている方・・・これはあくまでも僕なりに考えた結果ですのでご了承下さい。
NISMO陣営としては1コーナーでいつも無理を承知で仕掛けるアンドレがラルフと絡んであっさりとチャンピオンを決めるのが最良のシナリオだったはず。
ところがフロントに十分熱が入らない#8ARTA NSXファースト・スティント担当のラルフは無理をせずアンドレに譲り、ついていく戦法をチョイスしました。
ここにもうひとつのトラップというか誤算が潜んでいます。
初めて試された最終戦のノーハンディキャップ戦。しかも予想以上に低い路面温度。
この部分に関してはまた後ほど・・・。

_DSC0340.jpg

「無理をするなラルフ!1コーナーはアンドレにいかせるつもりでいけ!」
そんな指示が出ていたかどうかは定かではありませんが、そんな印象さえ持つ1コーナーの攻防でラルフはあっさりとインを明け渡しました。
そしてこの位置がNISMO、とりわけブノワに早く2位まであがらないと・・・という焦りを誘発しました。
追われるものと追うもの・・・。
常に言われることですが、追うほうがラクです。しかし、この場合#1は追う側ではなく、チャンピオンシップ上では追われる側・・・・。
レース・シチュエイションでは追う側・・・。
その複雑な心理要素が招く焦り。
焦りが生み出すレイトブレーキング。微量ながら早く開けてしまったり、大きく開けてしまうラフなスロットル・オープンなどがタイアにダメージを蓄積させるようになります。
NISMOはこのとき追われること(チャンピオンシップ上の)の難しさを改めて痛感したでしょう。しかも#36の背後、すなわち2位につけるには#38、#6、#8の3台を安全にオーヴァーテイクする必要があります。
ブノワがリスクを犯さずに3台のマシンをオーヴァーテイクする・・・。
僕には極めて難しい条件に思えてなりません。彼の一発の速さは本物ですがオーヴァーテイク・スキルは決して高くはありません。
ブノワがポール・トゥ・ウィンをすることは限りなく見ているけれど、追い上げてウィナーになるのはGTだけでなくFNでもあまり見たことがありません。まったくない、とまでは言いませんがそれだけ印象が少ないということです。下位から追い上げているときはマシンを潰してリタイアしているか浮上できずに下位に沈んでいます。

ブノワ選手にポジション・アップを焦らないように指示を出して後半スティントを担当する本山選手とトータルでポジション・アップを図るように徹底させることが必要でしたが、今回の結果に終わったということはその指示は出なかったのでしょうね。
そこまで指示を出さないと冷静にレースメイキングできずに猪突猛進してしまうドライヴァーはいかがなものでしょう?
こういうドライヴァーですから、あまりにも単純すぎて今回のトラップは簡単だったでしょうね。本山選手とミハエル・クルム選手のコンビの時にはこんな陳腐な戦略は決して通用しませんでしたからそういう意味では敵陣営にとってはありがたい一面なのかもしれません。
こうしてNISMOの#1は自滅の道を選択しました。タイアのデグラデーションというより、ライフを搾り尽くして壊し、それはホイールハウスやフェンダーも破壊し万事休す。
こうなっては1年間万策を尽くして戦ってチャンピオンを目指してきたすべてを吐き出してしまいます。
_DSC0288.jpg

#1の自滅でもっとも安心したのは#36です。
これも僕の推測に過ぎませんがホンダが唯一仕掛けるトラップがあるとすれば、#36を先行させることです。
#8が逆転チャンピオンを狙うための条件は非常にタイトでした。これだけの点差を跳ね返し、さらに#1と#36にポイントを取らせないためには双方がリタイアし、#8が優勝。これが絶対条件です。
ホンダはまず#36を先行させ#1に焦りを誘発させます。しかし、その前には#38と#6がいるので簡単にポジション・アップできないことはホンダも解っています。
#8は1コーナーで#36に譲ってもピットストップ後に逆転できる作戦を採っていました。ラルフのスティントを長く取って伊沢君の負担を軽くするために4本交換できるタイムを稼ぎ出します。
#1と#36は逆にファースト・スティントを短く設定していたのでセカンド・スティント後半のタイアの磨耗が厳しくなることは火を見るよりも明らかでした。そのために#1はセカンド・スティントを本山選手に託す必要があり、同様に#36もそういう厳しい状況下のスティントを脇坂選手に託すのがベストだと判断したのでしょう。
そこが、#8が数少ないつけこめるポイントであったと思います。
#1と#36はファースト・スティントに速さのあるドライヴァーを立てています。#8もファースト・スティントに速さも安定感もあるラルフを立てましたが、はまれば魅せてくれる伊沢君はセカンド・スティントを担当。タイアは万全を期して4本交換。しかもショート・スティントでタイアのデグラデーションも悪くはないはず・・・。
実際、伊沢君のスティントは#36の前でピットアウト。脇坂選手のドライヴする#36がぐんぐん差を詰めたものの、そこは猪突猛進のブノワとはまったく違う脇坂選手。
チャンピオンシップ争いを見極めて決して無理はしませんでした。#1が脱落していたので2位でも確実にシリーズ・タイトルを手中に収めるからです。

_DSC0043.jpg
_DSC0188.jpg
ホンダ陣営にとっての誤算は#8以外のNSXが不発に終わったことと、#1がタイア・バーストしフェンダーを壊してしまうほどのダメージを被り、後方から追い上げて#36にプレッシャーを与えることができなかったことです。

_DSC0308.jpg
#1が自滅していなければ赤旗中断でさえも#1と#36が双方をけん制しあうチャンスを再度作ることができる可能性さえありました。
事実、赤旗再スタートではフロントの温まりが悪いNSXが#36にひっくりかえされると思っている方が大半だったかもしれませんがリスタート後、伊沢君がある程度熱を入れられれば“逃げ切れる”と僕は思っていました。
理由は簡単です。伊沢君がピットアウトした周回数ほうが遅く、上位陣の中では最も新しいタイアなので表面コンパウンド硬化を最小限に抑えることができ、リスタート後のグリップダウンが一番少ないことが考えられました。。
しかし、#1が脱落した時点でチャンピオンシップは#8から逃げていきました。
#8がチャンピオンを獲るには#1と#36が争ってもつれ共にタイアを壊して脱落するか?もつれてコースオフするか?ぐらいしか可能性がなかったからです。


~続く~





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Last updated  November 17, 2009 01:40:52 AM
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 バトンのことをうかがいたいです!!   ★7co★ さん
こんにちは^^
★7co★です!
今年もおつかれさまでした!
続きがまちきれなくて書込んじゃいます!^^

「ありがとうNSX-GT」の中でStrikes Back!!さんと同じご指摘がAS誌(11・26号)の記事の中に載っています。やっぱり、関係者の目のつけどころって共通なんでしょうね^^
一足お先に指摘されているStrikes Back!!さん、さすがです!

ところで!
日本GP直前のメールで
Strikes Back!!さんは
「ジェンソンはワールドチャンピオンの器じゃないな・・」
「今年もチャンピオンにふさわしくないドライバーがタイトルをとる」
と嘆いておられました。
その言葉の真意を知りたいとずっと思ってました。
わたしもバトンだけの力でタイトルがとれたとは思いません。
ブラウンが用意したマシンに大きなアドバンテージがあったことがバトンにタイトルをもたらしたこともなんとなく感じています。
それを感じていても、なぜバトンはチャンピオンにふさわしくないのですか?
Strikes Back!!さんのご意見をぜひうかがいたいです。
メッセにしようか迷いましたがコメントにしてしまいました^^;
しかもスーパーGTの記事にF1関連のコメ・・・^^;
mumu・・・@へ@ 無礼をお許しくださいませ・・・^^;

1年の疲れをゆっくりと癒してください。
落ち着きましたらお店のほうにも遊びに来てくださいね。
(November 28, 2009 04:31:36 PM)


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