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テーマ:F1(444)
カテゴリ:Formula 1
スーパーGTから引退するNSXの記事からインターバルがあきました。
リフレッシュするために海外へ脱出しておりましたが、スタッフが会社のPCで毎日僕のブログをチェックしています。 政府や行政関係者から学閥関係者、メディア関連などなど、様々な方がいらっしゃってくれるのはまことにありがたいことです。感謝いたします。 しかしながらログインされてお見えになる楽天ブログユーザーの方々には申し訳ありませんが、こちらから訪問するお時間などはなかなか作れませんのであらかじめご了承いただきたいと思います。 さてNSX-GTのラストランからトヨタのF1撤退などに関して、皆さまから色々なご質問やコメントをたくさんいただきました。 NSX-GTラストランの話題ならともかく、トヨタ撤退に関しましては、ホンダの時と同様、デリケートな部分を含んでいるのでスルーすべき・・・と判断していました。 しかし、やはり難しい切り口に切り込んでいってこそ僕ですし「Fastest Lap」本来の姿であると思います。 取り上げるタイミングに関しては十分考えました。取り上げるにしても騒然としている状態の時ではなくピークを過ぎて落ち着いてからにしようと考えておりました。 NSX-GTラストランに見えたスーパーGTの近未来・・・ そしてトヨタ撤退に見え隠れするフォーミュラ1の近未来・・・ この2者は驚くほどの類似点を見せます。それは近似といってもいいかもしれません。 僕は今シーズンが始まる前にホンダが急遽撤退を決めたときに僕自身のブログでチラッと次のシーズンはトヨタが撤退する可能性を示唆しました。大きく取り上げたわけではなく、記事の中にさらっと書いた程度です。でもそのときすでにトヨタがF1を続ける気がないことをうすうす感じとっていました。 今回のトヨタF1の撤退はトヨタが最も目に見える形で打ちのめしたかったホンダが撤退してしまったことと無縁ではありません。 新生富士でのF1開催の不手際を様々な方面から叩かれ、結局ホンダのホームコース鈴鹿と共に日本GP隔年開催という形で決着しトヨタにとってF1でホンダを叩く野望は消えうせたばかりか、未勝利のまま撤退を余儀なくされました。 ホンダが持つF1で鍛え上げられたイメージを喉から手が出るほど欲しかったトヨタ。しかしながらそこへの道のりは半ばで夢破れて挫折。 今更ながらミハエル・シューマッハーの僚友としてフェラーリの黄金期を担ったエディ・アーヴァインが言っていた言葉を思い出してしまいます。 「ホンダは間違いなくレーシング・コンストラクターだけど、トヨタは自動車メーカーだから結果が出せるかどうかは微妙だよね・・」 この言葉には僕もまったく同感でした。エディとは日本のF3000でコスモオイル・セルモからエントリーしていた頃からの知己なので、今でもサーキットで会うと近況報告したりしています。 そうトヨタはホンダとはまったく違い、レーシング・コンストラクターとしてではなく、世界何位かの自動車メーカーとしてF1を撤退するのです。この言葉の真意に関しましては次回ご説明できると思いますのでそちらで・・・ 未勝利のまま撤退・・・・ Fastest Lapによくおいでくださる方々にはこの言葉の響きに記憶があるのではないでしょうか? トヨタはいくつもある選択肢の中から最悪のシナリオを選択しました。何故なのか? その理由が解らない方が多いのではないかと思います。でも考えてみてください。トヨタという企業そのものはホンダと違い好きでF1をやっているわけではありません。あくまでもマーケティングです。現場に赴く若い技術者たちの多くはF1が好きでやっているでしょう。しかし、企業としてのトヨタのF1へのスタンスはあくまでも少々お金がかかるマーケティングというレヴェルです。 この温度差が企業としてのトヨタの株主重視の判断と、初めて日本人として世界のトップドライヴァーと渡り合える可能性を秘めた逸材を埋もれさせることになるかもしれない可夢偉の悲劇を生みました。 今季のチャンピオンに輝いたジェンソンにブラジルでさんざんたたかれた可夢偉が最終戦で魅せたパフォーマンスは琢磨の切れさえをも凌ぎます。 研ぎ方しだいでは琢磨をも超える名刀になる可能性を秘めています。 僕はそれが一番無念でなりません。可夢偉は日本人ドライヴァーで初めて世界を獲ることを見せてくれる可能性がありました。 僕の言う「世界を獲る」はポディウムのセンターに立つということには止まりません。ワールドタイトルを獲れる可能性です。可夢偉はまだまだ荒削りな部分もありますが一番評価できるのはクレバーに攻めることができる部分です。 レースに精通されておらず、あまり詳しくない方には限界ギリギリに見える切れたアタックを見せてくれるドライヴァーがもっとも上手く速く見えると思います。 しかし、追い込みすぎるアタックには無駄がつき物です。その無駄をよく理解しているドライヴァーが可夢偉です。 気持ちだけ先走らせて、マシンを走らせることができずにダメージを与えてしまうようなことをしないのが可夢偉です。気持ちをコントロールできるドライヴァーが速くて巧く、結果も残しています。 彼がGP2で実力に違わぬ結果を残すことができなかったのはいくつかの不運が重なっているからです。 可夢偉の場合は在籍していたティームが勝てるマシンを用意できなかったことのほかにステップ・アップ・フォーミュラが持つ車両特性のせいもありました。GP2のマシンは限りなくイコールに近く、仮にマシン・サイドで優劣が存在していてもFNのように十分なダウンフォースがあるマシンではないので容易にパッシングできるほどの差をマシン側で作り出すのは難しいのが現状。絶対に作れないわけではありませんが難しいことに変わりはありません。 すなわち、ドライヴァーが自身のスタイル云々を言う前にがむしゃらに行かないと前には出られないのです。 「それがレースだろ・・・」そうおっしゃる方がおおいでしょうね。 確かに。 しかしながら、現代のレースはそれだけで勝てるほど甘くはありません。速くて巧いだけで勝てる時代はとうの昔に終わっています。 単細胞的、あるいは短絡的に攻めるだけのスタイルで走らない可夢偉はある意味GP2というカテゴリーそのものが大きな試練だったと思います。むしろ可夢偉のスタイルはF1にこそマッチしていて、GP2には合っていません。 ただし、GP2とF1の異なる特性を掌握して早い段階でどちらのカテゴリーでも結果を出しているドライヴァーが一人だけいます。今更言うまでもありませんがルイス・ハミルトンです。彼以外のニコやティモ・グロック、ヘイキ・コバライネンなどはまだ結果を残しているとはいいにくいレヴェルです。可夢偉はGP2シリーズでこそパッとしなかったもののF1ではその非凡さを1戦目で知らしめました。 可夢偉にとってGP2シリーズは本当にステップ・アップ・フォーミュラだったわけです。 日本GPのプラクティスで走った彼を見て判断したジャーナリストや関係者の愚かさを嘲笑うかのように可夢偉の可夢偉らしい走りが披露されたブラジル。 以前からこのブログで可夢偉というドライヴァーを高く評価する記事を書いてきた僕にとって、トヨタ撤退は無念でなりません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 8, 2009 12:57:37 AM
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