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トヨタにとって憂慮すべき最悪の事態は撤退してしまったことから始まるような気がしてなりません。 採算の合わないマーケティングからの撤退は株主重視の大企業ならではの判断なのですが、F1という世界中が注目するイヴェントで宿敵ホンダを負かすことができなかったばかりか、世界中のあらゆるマーケットにおいてトヨタ・ブランドでもレクサス・ブランドでも直接ライヴァルとなるメルセデスに完敗を喫してしまったことが最大のデメリットです。 成績ではBMWにも後塵を拝していたことが多かったのですが幸いにもBMWも撤退するのでBMWに対しては完敗というイメージを免れてはいます。 ただこちらの動向も流動的。可夢偉を起用すると発表したときのプレスリリースではBMWの名前が残っていたというのでBMWは完全撤退ではないのかもしれません。 いずれにせよ、BMWがこういった配慮を見せて撤退しているのに対し、新コンコルド協定を反故にして一方的に撤退するトヨタのイメージはさらに悪化するでしょう。 撤退によって「トヨタ、メルセデスに完敗!」のイメージは全世界に波及しています。トヨタの株価が大きく落ちこまなかったのが不思議なくらいです。 僕も小口ながらトヨタの一株主として言わせてもらうなら絶対にF1から撤退すべきではありませんでした。 不必要な車種を整理し、生産性を高め、開発部門を強化し、あらゆるニーズに具体的かつ効果的なプレゼンが行えるセクションを立ち上げるなどして、レディ・オーダーメイド・パーソナル・カーの製造販売などパーソナル・ユース志向に振った新車開発などを行うことにより個性的なクルマの新境地を拓くのも面白かったかもしれません。パーソナル・ユースに振ってもなお効率よく生産を行える自動車メーカーであることをアピールすることで経済危機による純売上げダウン分の何%かは稼ぎ出せたはず。 あとは徹底的な経費削減を断行すれば多くの人たちを切らなくても、F1を諦めなくても、予算を削減して続けることぐらいはできたでしょう。 それをしなかったのは日本の自動車メーカー1位の奢りか?誇りか? いずれにせよトヨタは撤退によってトヨタが持っている「世界有数の技術力を持つ日本屈指の自動車メーカー」のイメージは崩壊の危機に瀕しています。 そう思っていないのは日本に住んでいる日本人だけということを自覚せねばなりません。海外においてトヨタ・ブランド、レクサス・ブランドは今後厳しい戦いを強いられるのは必至です。ヨーロッパ市場でレクサスとメルセデスが競合するケースでレクサスは厳しい戦いを強いられるでしょう。 モータースポーツの最高峰としてF1を徹底的に楽しむファンは少数ですが、F1というお金がかかるマーケティングの結果を自分のクルマ選びの指標にするかたは意外と多いのが現状。 レクサスのハイブリッド技術はクリーン・ディーゼルなどというCO2削減だけに特化したまやかし的なエコ・ユニットとは一線を画すため、欧米でも高所得者層を中心にメルセデスやBMWよりも一部の方々には熱狂的な人気がある車種だっただけに今回のF1のマイナス・イメージを取り返すには相当の努力が必要になります。 トヨタがこうむった大きなイメージ・ダウンはクルマにあまり詳しくない日本国外に住む外国人にとっては日本車すべてをトヨタと同じイメージでみることも考えられ、日本の自動車メーカー全体にとっても厳しい時代がやってくることまでありうるのです。 敗北したまま撤退することで、今まで築き上げてきたトヨタの技術力への信頼は危ういものになってしまいました。少なくとも日本国内に住む我々とは違い、外国人の方々がもつトヨタへのイメージは明らかにマイナス方向へ転じています。来年の今頃、トヨタがリストラをせずに今季とほぼ同等の総決算を確保できるのかどうか怪しいものです。 特に欧州においては、向こう十数年間にわたってトヨタF1のマイナス・イメージが付きまとうことが予想され、海外市場でこのイメージを払拭するのは決して簡単なことではないでしょう。 しかもトヨタが得意なはずのハイブリッド技術で勝負したにもかかわらず、その経験値や個性を際立たせることなく終わってしまったのです。 ホンダの撤退から1年。 ホンダよりも1年頑張って撤退するにもかかわらず、トヨタの撤退イメージはホンダ撤退のイメージよりも悪化しているのは皮肉なものです。 もちろんこれは新コンコルド協定に調印していながら反故にしたトヨタの姿勢に対する反発も含んでのことでしょう。 つまり、トヨタは新コンコルド協定に調印したのですから、2010年以降も参戦できるようにティームの売却譲渡を絶対条件として退くべきだったのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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