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April 19, 2011
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カテゴリ:Other
恐れていたことが現実のものとなりました。
毎日放出され続ける数テラベクレルの放射性物質。さらに沈静化の見通しに関しては現実のディテイルがつかめ始めたこともあり10年以上の歳月が必要になることも確定されました。
現在までに放出された放射性物質は解っているだけでも広島に落とされた50kgのウランから放出された放射性物質を総量的に抜いてしまったのです。
しかも、原子爆弾の爆発や熱風を無視し、放射性物質だけの放出量で考えるとすでに広島型原爆の50倍程度の量がフクシマ原発を中心に日本だけでなく世界に放出されています。

呆れるにもほどがあります。
無関心にして無知な日本人は原爆の恐ろしさを知っていながら、原発の怖さを別のものとして捉えマドリング・スルーし続けて自らの国土に無数の原発という名の原爆を配置してしまったのです。しかも全国にくまなく配置されてしまった原発という名の原爆は、そのほとんどが広島型原爆の100倍から10000倍程度の核燃料を保有しているのです。
そしてついに地震と大津波という複合型災害によって原子炉が瀕死の重症を負いました。この先どのくらいの放射性物質がばら撒かれ続けるのか見当もつかないのが実情です。

すでに書いていますが低線量の放射線だからといって放射性物質は安心は出来ません。4/15のブログにも書いておりますが今、日本が直面している危機はそんな悠長な種類のものではありません。
例えば太陽から放出される放射線や宇宙線による被爆というのは外部被爆です。ところが今、日本人が直面しているのは内部被爆という極めて危機的な状況です。
政府は放射線量をモニターしている具体的なポイントから得られた時間当たりの平均線量や放射性物質の具体的な観測データなどを充分に公開していません。
にも関わらず、レントゲン写真による外部被爆基準と照らし合わせて安全だと論じています。被爆に安全だなどという言葉は当てはまりませんが、レントゲンのような外部被爆であれば人間の身体は致命的な線量を受けない限りは自然治癒する力があります。
しかし、これはあくまでもレントゲンや、太陽からの放射線、宇宙線に代表される外部被曝に特定したものです。
政府が放射線被爆の危険性を国民に告げずに隠蔽しようとしているように思えてならないのは、体内被曝(内部被爆)に関する危険性を未だ国民に充分に伝えていないからです。それをしたら国民がパニックになる・・とでも思っているのでしょうか?もうフクシマの原発は人類が体験したことのない未曾有の原発クライシスにまで行ってしまっているので今さらパニックになったところで遅すぎるのです。この内部被爆に関する危険性を早く伝えないと警戒地域以外でも被爆が始まります。

何度も言いますが低線量だからと言って安心はできません。問題なのは放射性物質を含んだ塵などが付着していた食物を摂取した場合や、呼吸器を通じて塵が体内に入り込んでしまった場合の体内被曝、すなわち内部被爆が問題なのです。
これだけの規模になると福島や茨城だけではなく、千葉、埼玉、宮城、栃木の一部も放射性物質が飛散しているはずで、これらの放射性物質が土壌にまかれると大変危険な状況になります。
放射性物質には様々な物質と吸着しやすい性質を持つものがあります。例えばセシウムやコバルトは土壌になじみやすい性質があります。セシウムはβ線とγ線を放出し、コバルトもγ線を放出します。特にセシウムは時間が経てば経つほど土壌から除染することが困難になります。できなくはありませんがコスト面に影響が出ます。水溶したセシウムを植物が吸い上げた時に植物が汚染されますが、これでセシウムの威力がなくなってしまうわけではありません。

例えば野鳥がセシウムに汚染された草や野菜を食べて西へ飛びます。セシウムで内部被爆した鳥が福島から西へ西へ飛び、長野でセシウムが混じった糞を田畑に落としたとします。これだけでも微量ではありますが放射性物質は運ばれ、しかも食物連鎖の頂点にいる人間の口に入る可能性は限りなく高くなるわけです。
放射性物質による脅威は野菜や、汚染された海水を吐き出した海域にばかり目が向けられていますが、地表面に落ちると簡単には除染できない放射性物質の脅威は畜産物も同様です。
高級地鶏などは地鶏というからには地面で放し飼いにする必要があり、表面に落ちた放射性物質の汚染を受ける可能性は否定できません。これは鳥だけに関わらず、すべての家畜に危険性があります。牛乳が一時出荷禁止になったのも放射性物質が付着した飼料を食べやすい乳牛が汚染される可能性があるためです。乳牛にとっての牛乳がそうであったように、本来ならば鶏卵もチェックする必要があります。

本当に恐ろしいのはこれからです。牛乳はすぐに調べられるので汚染が判明しましたが、鳥や牛や豚そのものが汚染されている場合はチェックの目を潜り抜ける可能性があります。
狂牛病の時のような全頭検査を家畜全部に実施することは出来ないでしょう。ごく微量の放射性物質を食べてしまったものとそうでないものの区別は外見からは判断が難しいのが実情。日本全国どこででも放射能汚染検査が必ず実施されれば見抜くことはできますが、西日本の地域で監視の目が緩かったりすると簡単に通過してしまう可能性はあります。得てして日本はそういう部分の詰めが甘い国です。
そうして通過してしまった食材が食卓に並び、日本では10年後から20年後にがん患者が激増する可能性が高くなります。しかし、体内被曝で最も恐ろしいのは脳や心臓の毛細血管への悪影響です。脳や心臓で起こる血管系の病気は5年も経てば急増してくるに違いありません。
そして、チェルノブイリ周辺でこういった症状が引き起こされた患者の8割近くが低線量体内被爆によるものであることを今さら無視するわけにはいかないのです。

体内被曝の危険性はチェックの甘い西日本で起きる可能性のほうが高いのですからそういった先を見据えたクライシス・マネジメントをする必要があるのですが政府は本当に無能です。
ニュースを読んでいる者もどういう種類の危険なのか理解せずに(理解できずに?)読んでいるので見ているものにその危機の度合いが伝わりません。伝えようとする意識も薄いのが実情です。キャスター自身が知らないことなので自信を持って伝えられないためにどのくらいのレヴェルの危機なのか伝えられないのでしょう。

ハッキリしているのはこれほど長い期間、大量の高レヴェル放射性物質の拡散という危険に見舞われたのは人類史上初で、これはとても不名誉なことだということです。
しかもこれからは「日本は唯一の被爆国である・・・」などと日本政府は決して言えないのです。自ら広島、長崎以上の原発という名の原爆を福島に落としてしまったのですから。





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Last updated  April 20, 2011 03:06:26 AM
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