お父さんから子供たちへ

2024/07/17(水)00:10

外部戦力

思い出(社会人・海外)(1066)

 お父さんの会社の社長は、最近外部から戦力になる人を連れてくると言い出している。新卒の社員がとれなくなっていること、若い人を地道に育てるには時間がかかるのに比べて、即戦力となるベテランというか専門家に入社してもらえば、時間短縮はもちろん自社にはない考え方や手法を導入することができるというのが社長の説明だ。 言っていることはもっともだと思うので、お父さんはその意見に反対ではない。だが上手くいくことはないと思っている。  理由は外部から連れてきた人に、意見を出させるだけで権限を一切与えないのが社長のやり方だからだ。さらに言うと、せっかく外部から連れてきた異なる考えを、口では重要で素晴らしいといいつつ、わが社のやり方と異なるからと採用しないからである。 1から10まで採用する必要はないとお父さんも思うが、社長の場合は採用率0%である。今まで外部から来た人たちは、結局何も結果を残せていない。どんなに優秀な人でも難しいだろう。 しいて言えば、社長を説得して権限を得ることができ、さらに社長の承認を取り付けて投資までさせることができるレベルの社長対応ができる人であれば、成果を出せるかもしれない。  しかしながら、顧問やコンサル的な外部人材も、中途採用のベテランも、新卒からの生え抜きの人材もお父さんを含めて誰も社長を説得することに成功した人はいない。なぜなら社長は自分の考えと異なる意見を「ダメな意見」「実状に合わない意見」として採用しないからだ。当然社長が良いとおもう考えはすでに社長から実行の指示が出ている。結果として外部の人材を手に入れても結果を出すことは出来ない。  お父さんはこれまで何人も「この会社では結果が出せない」と言ってやめていった人たちを見てきた。そしてそういう人が会社を辞めるたびに、社長に呼び出されてお父さんたちが怒られることを繰り返してきている。「お前たちがきちんとパフォーマンスを発揮させるサポートをしないからダメなのだと」怒られるたびに、あなたが意見を採用しないからですという言葉を飲み込んでいる。  今現在も顧問契約で1名、正社員採用で1名の外部人材がいるが、正社員採用の人はすでに社長には何を言ってもダメなので、もう少しやってみるが基本的には辞めると言い出している。 もう一人の顧問契約の人は、会社全体にかかわる内容をあきらめて部分的な改善活動に取り組むようになった。社長の意向に沿ったお金をかけずにそれっぽい成果を出すことだけに注力している。支払っている顧問料にふさわしい結果は出せないまま終わると確信している。大手の会社で生産技術部長を務めた優秀な人材で、十分に会社全体を変える能力があるのに本当にもったいないと思う。 なんか今回はただの愚痴になってしまった。

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