お父さんから子供たちへ

2024/09/03(火)00:10

東北と雨戸

思い出(社会人・海外)(1092)

 台風10号は東北まで届かずに低気圧に変わってしまった。こんなに迷走する台風はめったにないだろうが、前回の台風7号と同様に東北も勢力の強い台風がゆっくりと進む時代が来るかもしれない。  最近台風が東北に強い勢力のままくるという予報があるたびに、家を建てた時の自分の決断力のなさを実感している。 お父さんは東海地方出身なので、それなりに強い勢力の台風を子供の頃に経験している。台風が来る前の準備として、「雨戸」を全て閉めてガラス戸が割れないようにするのだが、東北には「雨戸」というもの自体が存在しない。  お父さんの勝手な予測だが、これまで台風というのは東北ではあっという間に通り過ぎるものであり、さらに勢力もだいぶ弱まった状態で来るものという認識だったからだと思う。東北では雨戸の必要性がなかったのだ。その前の時代、ガラス戸がない時代は木戸だったので、雨戸兼用だったのではないかと思う。  そんなわけで、お父さんは家を建てるときに雨戸をつけるように建築会社に話をしたのだが、建築会社は東北では必要ない(そもそも雨戸をつけた家を建てたことがない)という話だった。お母さんに至っては「雨戸って何?」というレベル。 それで気がついたのだが、確かにお父さんが住む地域に建っている家に雨戸がある家は無かった。いろいろと見て回ったが、現代風の建築物に雨戸つきは1件も発見できなかったので、お父さんも雨戸をつけることをあきらめた。  あれから10年、台風は強い勢力のまま普通に東北を襲撃するようになってしまった。我が家にはガラス戸を守る雨戸は無い。お母さんは毎回「大丈夫かな」と心配しているが、やはり雨戸は必要だったと痛感している。 今からでは通常の雨戸はつける場所がない。やるとしたら、シャッターを窓の上につけるのだが、莫大なお金がかかることだろう。そんなお金を出すぐらいなら、割れたガラスを新しく入れ替えたほうが安上がりである。  今後東北で、数年前の千葉県を襲ったような風の強い台風を経験するようになれば、自然と建築会社も雨戸をつけるようになるとは思う。だが我が家は手遅れである。家を建てるときは自分の信念は曲げてはいけないと、台風が来るたびに思う。

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