お父さんから子供たちへ

2024/09/05(木)00:10

ちくわの可能性

エッセイ(536)

 ちくわという食べ物がある。料理の主役になることはあまりないが、結構いろいろな料理に使われている。おでんにちくわが入っていないと寂しいし、お母さんの料理には結構ちくわが使われている。  ちくわはかまぼこと同様に魚のすり身からできている。魚のすり身を棒に巻きつけて火であぶると完成する。ちくわの穴は巻き付けた棒の跡であるので、穴をあけようとしてできたものではない。しかしながら、穴の開いていないちくわは通常ちくわとは言わないので、ドーナツと同様に穴はちくわのアイデンティティでもある。  ちくわはすり身を焼いてあるので、売っている時点ですでにそのまま食べることができる食材である。しかしながら、一人暮らしの若者がちまちまかじるのならともかく、皿の上にちくわを乗せてそれだけでテーブルに出されることはめったにないだろう。実に不思議な食材と言えなくもない。  ちなみにお母さんはひじきの煮つけや炒め物などのよくちくわを使っている。5本で100円強とスーパーで売っているちくわはコストパフォーマンスが良いので、お母さんも使い勝手がよいのではないかと思う。  ちなみにお父さんは最低でも週1回はちくわを食べている。お弁当に入ることが多いからだ。基本はちくわ単体ではなく、穴にキュウリやチーズが詰めてある。メインのおかずではないが、十分にお弁当のおかずとしてそれなりの存在感はもっている。  不思議なことにちくわは穴に何かを入れることで、食材からそれなりの料理になる。ちくわにキュウリやチーズをつめてあれば、お弁当に入っていても「手抜き」とは言われないし、食べるときもちくわともう1品の味を楽しむことができるので、お父さんも結構好きなおかずである。 そう考えるとちくわはかなりの可能性を持った食材だと言えるのではないだろうか。穴につめる食材を変えることで、異なった味や食感の料理に返信するのだから。  我が家ではキュウリが定番でその次にチーズである。それ以外をお母さんがつめたことはない。だがよく考えてみると、まだまだ詰められるものはありそうだ。そう思ってネットで検索をしてみたら、紀文のWEBページに「おくら、にんじん、ぱぷりか、ツナマヨ、タクアン、サラミ」などが紹介されていた。  野菜でも肉でも相性はよさそうである。海苔巻きの様にマグロ、干瓢、納豆、梅シソなども美味しいかもしれない。肉でいくならそぼろ、コンビーフ、ハム、ベーコン、サラダチキンなども美味しいような気がする。野菜ならば生で食べられるものなら大体行けそうである。セロリ、レタス、トマト、ピーマン、玉ねぎもいけるか。タクアンがOKなら紅ショウガやキムチも美味しいかもしれない。  書いているだけでおなかがすいてきた。この辺でやめようと思うが、ちくわの可能性は実に多岐にわたると思う。ただどれもメインのおかずになりそうにないのがちくわの限界だろうか。

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