2024/09/24(火)00:10
危うく事故に
先日五十肩の治療で鍼灸院に行くために、退社して少し急いで運転していた。朝の通勤では、お父さんは6時半には家を出る上に、田舎道を走行するのであまり前の遅い車に詰まるということがない。遅い車がいても追い抜いてしまえるし、そもそも交通量がその時間は少ないので、あっという間に会社に到着してしまう。 しかしながら帰路は、同じような時間に帰路についている車が多くいるので、大抵の場合は遅い車が先頭になって行列を作りながら走ることになることが多い。朝は30分前後で会社に着くのだが、帰りは45分ぐらいかかる。 そういう理由で帰りに前の車が遅くても帰路では追い抜きなどはしない。その先の遅い車にすぐ追いついてしまうのでほとんど意味がないのだ。 先日も同様に、帰路の途中で前の車に追いついた。いつも通り後ろを走り始めてすぐ、お父さんは「やばい」と思った。前の車が突然左側により、道路をはみ出して左タイヤがその先の草地に乗り上げて走り始めたのだ。わき見運転や居眠り運転の典型的なパターンだった。「事故になる」と思った瞬間に、車はまた道路に戻ってきて事なきを得た。 「運転手は危機一髪だったな」と思いながら、事故にならなかったことに安心していると、前の車がまた左に寄り始めた。 お父さんは居眠りというより飲酒運転化と思った。これまでにあまり見たことのないタイプの運転だったからだ。怖いから抜いてしまおうかとも思ったが、追い抜きの際にふらつかれて接触事故になるのも嫌だし、前に出て信号待ちなどで後ろ方追突されるのも嫌なので、車間を広めにとって後ろを走ることにした。 前の車はガードレールがある場所ではガードレールギリギリ、ない場所では道路をはみ出して草地の上と異常なぐらい左に寄っては、また元に戻る運転を繰り返していた。高齢者ドライバーかとも思ったが、高齢者のマークはつけていなかった。とにかく後ろから見ていて「もうだめだ」と思うぐらい何度も左に寄っていた。 そのうちに信号のある交差点までたどり着いて、赤信号で停車した。T字路の交差点だったので、右にいくお父さん方面ではなく、前の車が左に曲がってくれることを祈ったのだが、あっさりと右折のウインカーを出されてしまった。まだ危険な運転の後ろなのかとがっかりした瞬間に、信号が青に変わった。すると突然前の車がするするとお父さんの車に向かってバックしてきた。バックライトもついていないので、ギアがニュートラルに入って自然にバックしているようだった。 運転中は長めに車間を取っていたが、まさかバックしてくるとは思わないので、信号待ちでは通常の車間まで詰めていた。 ほんのコンマ何秒と言ったところだろうが、お父さんはクラクションを思い切りならした。同時にバックミラーで自分の車も交代できるか確かめたが、お父さんの後ろには最低2台の車がいて、バックできる状態ではなかった。 後ろの車や前の前にいた車は、お父さんの激しいクラクションに何が起きたかとびっくりしたことだろう。お父さんも今までのドライバー人生で、一番大きく長くならしたクラクションだったかもしれない。 もうダメだとお父さんがあきらめかけたところで、前の車はようやくブレーキをかけて止まった。そして、お父さんがほっとした瞬間にまた少しバックしてお父さんを絶望させた後、ギリギリ接触せずに前に向かって走り出した。 信号はすでに黄色になっていたが、お父さんまではぎりぎり交差点を通過できた。 お父さんは完全に前の車が何をしでかすか怖くなり、通常の2倍以上の車間を取って、相手がキューブレーキや衝突で突然止まっても巻き込まれないように注意して走り始めた。 するとしばらく走ったところで前の車はゆっくりと速度を落として完全停止してしまった。ハザードを出して左に寄ったわけでは無く、車線の真ん中でウインカーも出さずに完全に停止したのである。 右側には産直と呼ばれる野菜などを売っている商業施設があり、そちらへ曲がるのかと思ったが、対向車がなくなっても前の車は動かなかった。いったい何が起きているのだろうと思ったが、お父さんはもうどうでもよくなっていた。 10秒ほど完全停止した後に、その車は突然動きだして、左にあった小道に左折していった。もちろんウインカーは出さないままだった。停止の意味は最後までわからなかった。 そして左折の瞬間に見せた車の左サイドは何度もぶつけてきたようで、ボコボコになっていた。リアバンパーはガムテープで止めてあった。前を走っている間、ずっと左に寄っては知っていたので、お父さんには車の右側は良く見えていた。そして右側は特に目立ったキズやへこみは無かったと思う。車がきれいな割に運転がひどかったので、最初は脇見運転だと思ったし、居眠りや飲酒運転だとも思った。 ところが左サイドのボコボコ具合を見て、普段から同じような運転をしている人だと確信した。おそらくは高齢者ドライバーで、視野が狭くなって左サイドが見えていないか、車両感覚がおかしくなっているのだと思う。 お父さんが住んでいる地域は公共交通機関がまともに整備されていないので、高齢者であってもなかなか運転免許を返上しないし、周囲もある程度仕方がないことだとあきらめている。 それでもあのような運転をするドライバーはさすがに免許を返上するべきだと思う。歩行者がいた場合に接触事故を起こす可能性はかなり高いと思う。悲劇が起きない前に自ら運転免許を返上してほしいと思うし、お父さんも将来周囲から運転がおかしいと指摘されたら、素直に運転をあきらめるべきだと痛感する出来事だった。