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カテゴリ:読む愉しみ
先週の火曜日、スマホからのけたたましい音と市の防災無線の不気味で不快な警報音が、
静かな早朝に響きわたりました。 ん? 地震? 洪水? ??? そして、テレビをつけるとすべての局が、同じJアラートとかいう画面のみになっていました。 えっ な、なに? ミ、ミサイルだって 地下に逃げろって? こんな田舎に地下なんてないし。ていうか、大勢の人が入れる地下のある都市なんてそうそうないでしょうに。だいいち4分や5分でいったい何ができるっていうの?どうしろっていうの。 なんだかねえ~ 朝早くから日本中を大騒ぎさせて。。。 なんか変じゃないですか⁉ ま、何はともあれ、「戦争」が身近に感じた出来事でした。 今年の春、箱根のポーラ美術館「ピカソとシャガール 愛と平和の賛歌」展で 「ゲルニカ」のタペストリーを見ました。 ピカソの描いた戦争。 空爆されたゲルニカの悲惨な様子を描いたピカソの絵の巨大なタペストリー。 戦争や暴力の連鎖に反対するピカソの強烈なメッセージを前に、 その場を離れることができない人たちがおおぜいいました。 その時友人が持っていた本がこの「暗幕のゲルニカ」でした。 そのうち時間のある時に私も読もうと思っていたのです。 著者の原田マハさんは、 2003年国連安保理においてイラク攻撃を正当化するために、 パウエル国務長官が「イラクに大量破壊兵器が存在した」と会見した際、後ろに掛かっていた「ゲルニカ」のタペストリーが布で覆われていたことに衝撃を受けたと、 反戦を象徴する「ゲルニカ」の前でこれから空爆に向かうと表明する、という矛盾を隠したかった人がたくさんいるんだということに気づいてしまったと、 語っています。 「芸術は、飾りではない。敵に立ち向かうための武器なのだ。」 というピカソの言葉が冒頭に掲げてある物語。 面白く読みました。 物語の舞台は、 1937年のパリ、「ゲルニカ」を描いた頃から1945年 ピカソとその周辺 そして現代のニューヨーク。 主人公は、9.11のテロで夫を失ったMoMAのキュレーターである日本人女性で、 20世紀と21世紀、ニューヨークやパリ、スペインを行ったり来たり、交錯しながら織り込まれていく、「ゲルニカ」をめぐる壮大な物語です。 「ゲルニカ」は、訴えます。 「平和」という大事な大事な宝物は、どんなことがあっても手放してはいけない。英知を集めて総力で守らなければならないものなのだと。 原田マハさんの作品を読んだのはこれがはじめてだったのですが、 面白くてあっという間に読了。 おすすめです。 その後マハさんの本を何冊か読みました。 「総理の夫」も読みましたが、これもまたとっても面白い作品でした。 この作品は女性初の総理大臣とその総理を支える夫の物語で、 ちょっとコミカルで漫画みたいな感じではありますが、 面白くて面白くて・・・ こちらもおすすめです。 これは、決して寝る前に読んではいけません。途中で止められなくて眠れなくなりますから お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年09月08日 22時27分48秒
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