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FATの小説

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流血ファミリー+Other

「流血ファミリー+Other」



「俺は見たんだって! うそじゃない! 確かにこの目で見たんだ!!」
 きな臭い酒場で男が声を張り上げる。
「あれは噂なんかじゃなかったんだ! 本当にいるんだよ!!」
 誰一人として耳を貸そうとはしない。マスターが店の入り口に立っている二人の大男に目で合図を送ると騒いでいた男は軽々と店外につまみ出された。
「ちくしょう! お前ら、今に見てろよ! 絶対に「流血ファミリー」をとっ捕まえてきてやるからな!!」
「あら、それは物騒な話ね」
 男が振り返ると黒いローブに全身を包んだ女らしき人物が立っていた。
「困るのよ、あの子達を「とっ捕まえる」なんてことされたら」
「あんた誰だよ」
「あの子達の保護者かな? とにかく、余計なことに首を突っ込むもんじゃないわよ」
 素早く男の喉ぼとけに冷たい刃があてがわれる。充分に恐怖を植えつけた後、女は去った。



 ――そのころ、彼女の子供(?)たちはトランクマンに囲まれていた。

「………」
 多数のトランクマンたちに対し、立ち向かうは三人。
 一人は短い槍を持ち、一人は質素な両手剣を持ち、一人は四匹の従者を従えている。
 
トランクマンのうち一匹が剣を持った漢に枝を振るう。男は避ける素振りも見せず、その撲打を顔面にまともに喰らう。ミシっと鈍い音がし、鮮血がしたたる。と、何故か倒れたのはトランクマンの方だった。

突然倒れた仲間に戸惑うトランクマンに女が槍を振りかぶり、投げつけた。槍は乾いた音と共にトランクマンに突き刺さる。怒るトランクマンは信じられないほどゆっくりとしたスピードでその娘に襲い掛かる。
武器を失った娘はあろうことか、素手でトランクマンに立ち向かった。自らの枝で娘を滅多殴りするトランクマン。流血しながらも、娘は無理やり槍を引っこ抜き、今度は狙いを定めて超近距離から槍を投げつけた。

二人の兄妹が血を流し、戦っているというのに、もう一人の少女…いや、ょぅι゛ょは寝ているかのように突っ立ったままである。そこに目をつけたトランクマンの一派が集団でょぅι゛ょを襲う。徐々に迫る危険。しかし、それでもょぅι゛ょは動こうとしない。
ついにそのときが来た。迫り来る大木たちは一斉にょぅι゛ょに手をあげる。ぼこぼこぼこという痛々しい効果音が鳴り、ょぅι゛ょは至るところから流血した。手を出されてからようやく主人の危機に気づいた従者たちがトランクマンたちを次々に薪へと変えていく。




「みんな、ただいま~」
 黒いローブの女が家に帰ると、兄妹三人流血しながら食事を取っていた。
「はい、今日もよく流血しました! みんなえらいぞ~」

 母に褒められ、兄妹は皆、嬉しそうに微笑んだ。



全員集合!カウボーイ先生の授業へ

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