読書記

そう、龍馬は悩んだはずだ。
「竜馬がゆく」では剣の修行に没頭して達人の域に達するように描かれていたが、没頭する前に「剣で攘夷ができるのか？」と。
いや、それすらもなく「これからわしらはどうなるんじゃろ？わしは何したらええんじゃろ」「わしに何ができるんじゃろ？」「わしには何もできんのやなかろうか？」
この大河ドラマではそれほど「黒船」が「新しい時代を持ち込んでくる巨大なもの」として登場させてきていることに満足しています。

第５話で悩める青年龍馬が言った「もうわからんがです!」には心が軽くなりました。
分からないことは分からないと皆の前で吐露できるっていうのは、素敵なことだと思う。
それでたとえ（まさしく６話での冒頭の龍馬がそうであるように）皆に突き放されたり、行くあてが見つからずに途方に暮れてしまうとしても。

次に松陰。
吉田松陰をイメージするならお薦めの人物がいる。
映画ファンなら「淀川長治」
タレント（？）なら「さかなクン」
私の中ではそんな「好奇心の対象が只一つであり」「女（あるいは性）に興味がない」人物像である。
生瀬勝久さん、いい役者です。
密航しようとする際の科白も感動的でした。
でも松陰の言葉をしゃべらせるなら淀川さんかさかなクンのほうが私にはしっくり来る。

それから半平太。
ああ、もう......
もう、ダークサイドに墜ちようとしています。
カメラーーーー、以蔵にパンしちゃいけませーーーん!!

運が下がりゆく半平太に比して運があがっていく弥太ちゃん（恋は成就しないけど）
江戸から下る龍馬、江戸へ上る弥太ちゃん。
三人が微妙にクロスしながら物語は続く様子。

ああ、そうそう。
三菱グループに勤務している人がいらっしゃれば。
この弥太郎を観てどう思うんでしょう？