『また明日』
もし、あなたが愛する人と何かについて悩み、何かを取捨選択しなければならない境遇に陥った時、聴くことをお薦めしたい1曲である。1stフレーズ「僕」は空を眺めていた2ndフレーズ「君」はバラを集めていたこの歌詞だけが難解で残りはそんなに難しい言葉は並んでいない。あとは「傷ついた自由」というセンテンスぐらいかなそれだけに最初の2フレーズに登場する「僕」と「君」について、受け手の私たちにはいかようにでも解釈のしようがあるし、私たちが経験してきた様々な出来事に置き換えてイマジネーションを膨らませて聴いてほしい。そこには素敵なことが私たちを待ってくれているように思える。今、ふと気づいた。この男女はいつも会えているわけではなさそうだ。これまでずっと「僕」と「君」は毎日会えていて、それでもまた明日会えることを喜んでいるのだと。どうもそうではなさそうだ。いつも会えるわけではない、もっと言うと「僕」と「君」はいつか会える日を夢見ている、いや、もう二度と会える境遇にはないようにすら読み取れてしまう。そんな二人だからこそまた明日会えるならという仮定のことを希って(こいねがって)いる愛の詩なのではなかろうか。そんな思いが闇の中/風の中という最後のフレーズにこめられているように、今は聴こえてくる。90年代に聴きまくっていたアルバム「SWEET16」この2・3年はあまり積極的に聴くことをしなかった。もう20年近くも前のこと、まだ自身が20歳台の若造で生意気だったころの言動が重なり、思い出すたびに面映ゆい気分になりがちだから。