悲嘆の門(下)
模倣犯のような展開になるのかと思っていたのだが、中巻のガラの登場でその展開に向かわないことは確定。下巻の興味は劇的に事件が解明されることに期待。事件解明だけを見れば「あれれ?」感は否めない。宮部さん「漁る」(すなどる)ということばお好きですよね。この上中下巻のうち、最もページを送る手が止まらなかったのは上巻だった。ガーゴイルの像が動いているように見えるのは、言葉たちによって時空が歪み、それを見る人間の錯覚によるものが大きいのかなあと思いながら読んだ上巻の空想がいちばんアドレナリンが上がった。調べてみたらこの悲嘆の門、「英雄の書」と対をなす作品だそう。英雄の書、既に読んだのだが。確か兄か誰かが行方不明になるけれど、それは時空の歪みで漂う羽目になり、妹か誰かが助けに行くような話じゃなかったかな。