果心居士の幻術
英雄ものではない。異端児を扱った短編集とでもカテゴライズすればいいのか。最初の2編が忍者もの。3編目は新撰組もの。4・5・6編は馴染みが薄い時代の戦士や貴族や絵師もの。異端児を主人公にしながら、彼らが関わる相手の本質が垣間見えるような気がする。1では松永弾正、筒井順慶2では上杉謙信、武田信玄3では土方歳三副長の土方、上司として仕えるにはしんどい。4・5・6はこの時代に精通していない私には何も言えないかな。「壬生狂言の夜」は角川文庫の新撰組烈士伝にも収録されており、既読ものであるが、なんだか久しぶりに新撰組ものに出会えたことを楽しんだ。2004年の大河ドラマでもこの話はオマージュを捧げられていたことを思い合わせながら読む。松原忠司を甲本雅裕が演じていたっけ。今では強面のヤクザや、時代劇で瓢げた武士など、色んな役をこなす味のある脇役さんになられて、お顔を拝見するたびにニヤリとしてしまう。要はファンなんだな。 ・果心居士の幻術 ・飛び加藤 ・壬生狂言の夜 ・八タ烏 ・朱盗 ・牛黄加持