結婚元オットとは同じ会社で知り合った。 会社は全国・海外にも支店を持つゼネコンだった。 当時4年間付き合い、結婚しようね、とまで約束し親にも紹介した彼と 破局を迎えたばかりだった。 私は23才、元オットは30才だった。 元オットは仕事は出来た。 上司からも「アイツはいい男だ」と言われていた。 「これから出世もするだろう」とも。 外見はまったく好みじゃなかった元オット。 だけど、当時私の心に大きく出来た傷を埋めようと 一生懸命接してくれるのが分かって嬉しい気持ちは確かにあった。 なぜか彼はすごく私を好きだと言ってくれた。 「結婚を前提にお付き合いして下さい。」 と言われ、それから一ヵ月後に結納をして それから半年後に結婚式を挙げた。 私は「この人を幸せにしてあげたい」というより 「この人に幸せにしてもらおう」と思っていたと思う。 こんなに想ってくれるんだから、結婚しても大事にしてもらえると そう思っていた。 土地開発で土地や山が売れ、土地成金状態だった嫁ぎ先。 8畳間に所狭しと並べられた結納品に、両親が驚いた金額の結納金。 200坪の敷地に母屋と蔵と離れがある家。 親戚が「どんなスゴイ家にお嫁に行くの?」と驚いたくらいだ。 私も食べるのには困らない、こんなに望まれて結婚するんだから いい人生が送れるだろう、とまるでひとごとのように思っていたところがある。 当時バブルの余韻がまだ抜けきらない時代。 ゼネコンには本当にいい時代だった。 元オットの給料も、ボーナスも今では考えられないくらいあり 私はそれはそれはのほほ~んと毎月無駄遣いをし、高級車を乗り回していた。 問題は元オットがとても忙しい、というのと 百姓家の跡取り息子だったということだ。 そうして、離れに立派な台所を付けてくれ元オットの生家での 両親との二世帯同居生活がスタートした。 |