アニメとか気になる系へっぽこ感想倶楽部

ロックは淑女の嗜みでして 1 （ヤングアニマルコミックス） [ 福田 宏 ] 楽天で購入

１２話

またしてもロックを侮辱したわねッ！！

鈴ノ宮りりさは激しく怒りをあらわにする。

彼らは知らないのだ。

１話前にその言葉が逆鱗ワードに登録されたことを。

りりさの演奏のリミッター解除するキーになっていることを。

ロックは遊びじゃないのだ。

プラス１ポイント。


私の妹に何すんじゃワレェー！！

お嬢様界隈において対面する相手の襟首を掴むことは

もうそれは暴力なのだ。

一般的ではあるけど…。

彼らは知らない。

目の前の少女がりりさの妹であることを。

ついでにりりさも知らないのだ。

自分の義妹に対する思いの変化を。

そして妹に危害を加えたことが

その気持ちがりりさの

演奏のリミッター解除のキーになっていることを。

私の妹に手を出すなッ！！

プラス１ポイント。


バッカスはバカである。

典型的な世間知らずなお坊っちゃんの集まり。

バッカスという名前を掲げたら

なんという蔑称がつくのか予想すら出来ない。

そして彼らは我々陰キャ視聴者が一番嫌うタイプなのだ。

彼らがライブハウスに到着したシーンで

嫌悪感を抱いた陰キャ視聴者がまず離脱した。

視聴率マイナス10ポイント。


さらに彼らがアニメを見てバンドを始めたと語った瞬間に

共感性羞恥を感じた視聴者が離脱した。

視聴率マイナス10ポイント。



そして彼らの常に人を見下す傲慢さと

アリスに手を出したことで

さらに陰キャ視聴者が離脱したのである。

視聴率さらにマイナス20ポイント。


彼らは知らない。

負けフラグを少しずつ積み上げていることに。

彼らのファンも知らない。

ヘイトを向ける行為が負けフラグになっていることに。


りりさたちの勝ちフラグポイントが４０を

超えていることに。


そして私は知らない…。

この対バンの結末を。


これだけフラグが立っているのに

一抹の不安が残る。

黒鉄音羽によって。


彼女が一歩引いている。

りりさに身を委ねているのか？

りりさを推し測っているのか？

このバンドのブレーンが

この対バンに意味を見出せないでいる。


これは勝ちにも負けにも繋がる唯一の不確定要素なのだ。


しかし黒鉄音羽も知らない。

自身の矛盾を。

自分さえ気持ちよく演奏出来たらそれで良い。

本当にそうでしょうか？

本当にそうなのかもしれない。

どっちだよ！( ﾟдﾟ )


彼女は知らないのだ。

観客が自分たちの演奏に歓喜し

演者と観客が一体となる瞬間こそ

自分が一番気持ち良くなれることを。


この事実を彼女は知ることになるのだろうか？

それはりりさの演奏次第。

リミッターは解除済み。

あとは暴走しないだけ。


客席に一人の中年男性がいた。

その男性は太っていた。

その男性はりりさを見つめぽつりと呟いた。

　左手は添えるだけ…。


暴走するなよ。肩の力を抜け。

そういう意味である。


しかし隣のバカスファンは首を傾げるのだった。

演奏出来ないじゃん！( ﾟдﾟ )

と。


そしてもう一人客席の隅に男性が立っていた。

その男性は長身だった。

わかる人にはわかるのか？

その男性は諸葛孔明のコスプレをしていた。

まるで本人のようなクオリティに

隣のバカスファンは驚くのだった。

超孔明じゃね！？( ﾟдﾟ )


注目の対バンが今はじまる！！




ーエピローグー

アリスは知らない。

自分の言葉がバンドの未来に与えた影響を。


インフルエンサーの小間使いは違和感を覚えていた。

バッカスに対する違和感である。

その違和感の元は心に刺さったトゲだった。

それが少女の発した言葉によるものだということに

彼が気づくのは来週の話。



かどうか私は知らない。


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＝＝ここまで読んだ＝＝
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